昨年、結成16年以上の漫才師を対象とした賞レース「THE SECOND~漫才トーナメント~」(フジテレビ系)で、ギャロップが優勝した。今年も第2回目が開催されることが決定しており、エントリー受付はすでに終了。セカンドチャンスをつかみ取るべくメジャー芸人が多数エントリーしており、「キングオブコント」との2冠にリーチがかかるコンビも少なくない。
初代王者のギャロップは、結成19年目で栄誉を獲得した。林健は吉本興業のタレント養成学校の大阪NSC22期生。この期の吉本芸人にはホームランバッターが多い。
トップはキングコングだ。西野亮廣と梶原雄太は結成からわずか2年後、ゴールデンタイムのバラエティー番組「はねるのトびら」(フジテレビ系)のメインメンバーに大抜擢された。2人は現在、テレビの世界から身を引いている。西野はベストセラー作家、大人気オンラインサロンの主催者、劇作家ほか多くの肩書きを持ち、億を動かす起業家として大成功。梶原はトップYouTuberのカジサックとして、コンビ揃って覇王となった。
キングコングとは逆に、テレビ業界のフロントランナーとなっている同期が、南海キャンディーズの山里亮太だ。漫才師、司会者、ナレーター、ラジオパーソナリティーとして、地上波を中心に活躍。妻・蒼井優との間にもうけた1歳の女児を育てるパパでもある。朝の情報生エンタメ番組「DayDay.」(日本テレビ系)のメイン司会者となって、今年4月に1年を迎える。
同じく地上波で引く手あまたなのは、ダイアンだろう。津田篤宏とユースケは中学校の同級生であり、22期生。漫才に定評があり、2018年には在阪漫才師の憧れである「第53回 上方漫才大賞」で大賞を受賞した。全国ネットの冠番組こそないものの、昨夏は「FNS27時間テレビ」(フジテレビ系)の総合司会に千鳥、かまいたちと3組で大役を任されている。
「キングコング、山里、ダイアンは『M-1グランプリ』のファイナリストですが、22期生にはチャンピオンも多い。17年度王者・とろサーモンの久保田かずのぶは、この期です。かつてフジが主催した漫才コンテスト『THE MANZAI』では、2013年にウーマンラッシュアワーが優勝。その村本大輔が22期生です。ピン芸人日本一を決める『R-1グランプリ』で2009年に優勝した中山功太も同じですね」(お笑いライター)
2021年末に吉本興業を離れ、フリーで最も儲けているのは、なかやまきんに君。筋肉芸人の頂点に立っているといっても過言ではなく、公式YouTube「ザ・きんにくTV【The Muscle TV】」は、チャンネル登録者数が233万人を突破している。名フレーズの「ヤー!パワー!」はTikTokで大バズリして、「現代用語の基礎知識選 2022ユーキャン新語・流行語大賞」で芸人界から唯一、選出された。独立後のCM契約本数は22本で、年収は億超えだ。
大阪22期生が「THE SECOND」で連覇の可能性も十分ありそうだ。
(北村ともこ)