通算盗塁数は1065。シーズン盗塁数106の日本記録保持者であり、メジャー記録を超えた時期があることから「世界の盗塁王」の異名を持つのは元阪急ブレーブスの福本豊氏だ。
その阪急で1967年から75年にかけて不動の4番打者を担い、「ミスターブレーブス」と言われた長池徳二氏が野球解説者・高橋慶彦氏のYouTubeチャンネル〈よしひこチャンネル〉に登場し、驚きの発言をした。
「福本はね、日本シリーズになると走れなかった。ジャイアンツと戦った時も、森(祇晶)さんって肩あんまり強くないじゃない。それなのに1個も走れない。堀内(恒夫)なんかは牽制うまいからね。それはわかるんだけど、他のピッチャーの時も走れなかった」
高橋氏は「緊張するんですかね」と返すが、長池氏の答えはこうだった。
「おそらくカープのピッチャーもそうだったんだと思うけど、クセがなかったんだと思う。その点、神部なんかは左で上手かったんだけど、大きなクセがあった。踵を上げて投げると牽制がない、とかね」
プロ通算90勝の、近鉄とヤクルトで活躍した左腕・神部年男氏のことだ。近鉄時代には、福本氏に21回の企図全てで盗塁を許している。
研究熱心な福本氏はVTRを何度も確認し、投手のクセを見抜いて盗塁を試みていたという。
「短期決戦、セ・リーグの投手相手には分が悪いこともあったでしょうが、当事はまだ主流ではなかったクイックモーションを、堀内氏を筆頭に巨人投手陣が大いに活用して、福本氏の足を封じました」(スポーツライター)
投手の技術は年々進化しているが、それにしても今の時代は盗塁がガクンと減った。
(所ひで/ユーチューブライター)