「『キミたちの力で、江川君をエースにしてやってくれ』って。野手はいいですよ。ピッチャーはふざけんな!ライバルじゃないですか。なんでオレらがエースにしなきゃいけないんだ!」
当時の巨人球団社長の言葉を振り返り、こう鼻息を荒くしたのは、角盈男氏。7月20日、プロ野球OBクラブのYouTubeチャンネル〈プロ野球OBクラブチャンネル〉に出演してブチまけたのだ。
78年のドラフトで、「空白の1日」を経て巨人に入団した剛腕だが、
「堀内(恒夫)さんを筆頭に、みんな怒りまくってた」
角氏にとっては、同郷の鳥取県出身の小林繁が代わりに阪神に移籍したことも、心中穏やかではなかった理由。
だが、話題先行だろうと思われた新人の人間性や技術を目の当たりにすると、
「やっぱり、ケタが違ってたね。騒がれて当然だと思ったもん。全然、レベルが違う。追い越すことはできないけど、追いつけ、追いつけ、ですよ」
リリーフ陣にしてみれば「江川には勝てないけど7、8、9回にバテた時の江川には勝てるだろう。江川の後を投げられるピッチャーになろう」と発想を転換し、中継ぎ、抑えに光明を見出すきっかけになったという。
江川の存在が、結果的に投手陣の底上げに繋がったのである。
(所ひで/ユーチューブライター)