「あの大騒動」の当事者となった大ベテラン左腕が初登板するとあって、ファンの熱い視線が注がれたが、待っていたのはまさかの初球被弾という波乱の展開だった。ソフトバンク・和田毅のことである。
和田の初実戦となったのは、2月28日の練習試合、西武戦(宮崎市・アイビースタジアム)。先頭打者の西川愛也に、甘く入った140キロの直球を右翼席に運ばれてしまった。
続く源田壮亮、コルデロは三振に仕留めたものの、その後は連打と四球で満塁のピンチを迎える。最後は山村崇嘉を空振り三振に斬ってなんとか1点で抑え、マウンドを降りた。
和田は今年1月、山川穂高のソフトバンクへのFA移籍に伴う人的補償の対象になったと報じられたが、引退をチラつかせて移籍を拒否したとの疑惑が浮上。真相は闇の中だが、結局、プロテクトから外れていた甲斐野央投手が西武に移籍することになった。
もう一方の当事者たる山川穂高は4番に座ると1回裏、1塁にランナーを置いて登場。カウント0-1から左中間への逆転2ランを放ち、どすこいパフォーマンスを披露した。古巣相手のキツい一発に、西武の選手は複雑な気持だったことだろう。
山川は2月24日の楽天モンキーズ(台湾)との練習試合で移籍後、初本塁打。「初どすこい」がアンチからの非難を浴びたばかりだが、本人はファンサービスに余念がないようだ。
明暗が分かれた和田と山川。互いに複雑な心境なのかもしれないが、チームメイトとして今後、どうシーズンを乗り切るのか、見ものなのである。
(ケン高田)