水戸 では、俺の本命を言おうか。デニムアンドルビーでどうだ。
椎名 スケール的にジェンティルを一回り小さくしたような馬だから、僕はジェンティルを評価しない以上、この馬も評価しない。
漆山 僕もですね。中山が初めてだし。というか、牝馬は5頭とも中山で走った経験がないですから。
水戸 いや、大丈夫! ディープとキンカメの配合が力強くて、緩い流れが途中から絶対速くなると見てるんだ。そうなると、この子のエンジンのかかりが非常に、よろしいんじゃないかと。天皇賞は負けたといってもコンマ2秒。この馬も叩き3戦目だしな。
椎名 水戸さん、叩き3戦目って10頭いますよ(笑)。
水戸 わかってる(汗)。
漆山 JCは外々を回っていたとはいえ11着。2走ボケという評価ですか?
水戸 そう見てる。もう一つ何か大きい仕事をするんじゃないかとニラんでいて、超一発の本命だな。
漆山 エ女王杯で12着に敗れたメイショウマンボは、得意条件がそろった中での惨敗。僕は眼中にない。
椎名 それでも血統からすると、小回りの長めのところは走るから、不気味ではあるんですけどね。
水戸 1秒差だから、まだ見限れない。
漆山 残る牝馬はヴィルシーナですか。常識的には逃げるのはこの馬でしょう。
水戸 有馬で先行して勝つイメージはあまりないな。
漆山 トゥザワールドがペースメーカーになってもおかしくないですけど、どの馬が行っても後半ヨーイドンの競馬になりそうです。
椎名 いいね、ヨーイドン(笑)。後半のマイル勝負になって浮上するのが僕の本命、トーセンラーです。長距離戦のペースに慣れていながら本質はマイラー。武豊騎手は当然しまいに賭けるレースをするから、それがハマるんですよ。
水戸 ローテーションがいいし、キレ味もある。
漆山 う~ん、この馬は京都の下り坂での加速力が魅力だから、中山では買う気になれません。この馬もここが引退レースですよね。
椎名 牡馬と牝馬では違うから。牡馬はハクをつけたいし、有馬を勝てば種牡馬としての価値も上がる。しかも、母はプリンセスオリビア。女王だよ。“アナ雪”じゃないですか。それに解散総選挙の“トーセン”にも絡んでる。
水戸 “ラー”は太陽か。
漆山 水戸さん、それは流行語でも世相でもありませんから(笑)。僕はラストインパクトを本命にします。ディープ産駒のわりにキレというより持続力で勝負するタイプ。それに金鯱賞組は、一昨年のオーシャンブルー、去年のウインバリアシオンで、有馬のトレンドになっています。
椎名 京都大賞典を勝った馬が、天皇賞やJCに行かないというのがね‥‥。
水戸 でも勢いっていうのは大きいぞ。ただ、金鯱賞組ならサトノノブレスか。
椎名 僕は天皇賞・秋で本命にしたんですけど、どこかで一発あるはず。ここでも怖い存在だと思います。
水戸 血統はベガ(桜花賞、オークス)の同族だからな。あと、お主たちに聞きたいんだが、トゥザワールドとフェノーメノをどう扱うよ? トゥザはGI馬がゴロゴロいるものすごい血統なんだが、前走(16着)は途中でヤメちゃったの?
漆山 やっぱり距離ですかね。ただヒモとしてはけっこう魅力的だと思います。
椎名 3着ぐらいはあるかもしれないけど、意外とGIで勝負弱い血統でもあるからね。フェノーメノはステイゴールド産駒だから気持ちの面が大事。闘志に火がつけば‥‥。
水戸 中山で2勝しているし、コースは合っている気がするんだがな。
漆山 火がつきますかね?
椎名 つかないまま“ごきげんよう”の可能性もありますけどね。
水戸 ホント、椎名はうまいこと言うな。でも、競馬記者なんだから、そんなことばかり考えてちゃ‥‥。
椎名 “ダメよ~、ダメダメ”って、言いたいんだ。
全員 ハハハハ。
◆プロフィール 水戸正晴 サンケイスポーツ記者。週刊アサヒ芸能「万券を生む血統論」を連載する大穴党。狙うはどのレースでも1年に1度は手にしてきた帯封(100万円)。この有馬記念で実現する!?
◆プロフィール 椎名竜大 スポーツ報知記者。10年に穴党に転じた直後のスプリンターズSで35万馬券を的中し、一気にブレイク。カラオケ党でもあり、他人のマイクを奪ってブレイクすることも。
◆プロフィール 漆山貴禎 夕刊フジ記者。東京大学文学部卒。競馬記者歴は9年。予想スタンスは実績とデータ重視。今年のGIでは、3歳牡牝3冠の6戦全てを的中させるという快挙を演じている。
◆アサヒ芸能12/22発売(1/1・8年末年始合併特大号)より