水戸 人気勢の中では、やはりサトノダイヤモンドにも注目する。母系はマイラー色が強いし、春は華奢に見えて古馬になってからの馬だと思っていたけど、菊花賞での勝ち方を見ると脱帽するしかない。この時期になると3歳馬も古馬も地力においてほとんど変わらないわけで、それが2キロ軽い斤量で出られるんだから、アッサリ勝たれても不思議じゃない。
椎名 不動の対抗ですね(笑)。里見オーナーは今年GIを獲りましたし、香港でも勝って流れがいい。ただ、イメージ的にビワハヤヒデ(93年2着)にそっくりなタイプなので、前を捉えきれないか、後ろから何かに差される感じがするんですよ。
山河 同意見ですね。世代レベルは高いし、JCを挟まない分、しっかりと作れますが、もし鞍上のルメールが勝ち気にはやって、キタサンブラックを早めに潰しにいけば、後ろの馬にチャンスが回ってくると思います。
水戸 サウンズオブアースはどうだ。まだ2勝しかしてないけど、GIでの2着が3回もある。
椎名 大谷の“二刀流”で言えば、「2」つながりで2着が7回あるこの馬なんでしょうけど、世相的に弱いから僕的には買う要素があまりない(笑)。ただ、去年の2着馬で、GIのデムーロ騎手は怖いから押さえますけどね。
山河 マイナス8キロと、きっちりしぼって出てきたJCが頑張っての2着。普通に考えたら、これ以上の上積みは期待できません。
水戸 「最強の2勝馬」と言われているように、あと1つ何かが足りないんだよな。強さはあるんだけど、馬っぷりや血統を見ても70~80点。超一流馬という感じではない。
椎名 水戸さんの対抗は?
水戸 ミッキークイーン。牝馬で、ここまで崩れずに走るのは大したものだよ。とにかく堅実で、連対を外さないのがいい。
山河 現役牝馬の中ではトップ中のトップですが、ブエナビスタやジェンティルドンナ級とまでは‥‥。
椎名 初めてとなる中山で好走するイメージは浮かんでこないんですけど、クイーンだから“トランプ”つながりということで(笑)。
水戸 私の超大穴候補は、ここが叩き3戦目のムスカテールだ。金鯱賞は7着も着差はわずかコンマ4秒。体重がプラス8キロで多少重かったのが敗因だろう。相手は強くなるが、一発があって不思議はない。
山河 僕はヤマカツエースですね。負ける時は大差だったりするんですけど、勝つ時はしっかりと勝っている。ポカが多いラブリーデイのイメージで、キンカメ産駒の成長力込みで大穴候補です。
椎名 この馬も印に入れる“ベッキー”なのかもしれませんが、そこまで回りません。いずれにしても今年は「PPAP」のマリアライトで決まりでしょう。
山河 競馬では菜七子ちゃんが話題の年だったし。
水戸 いや、競馬界的にはサブちゃんの「まつり」で幕というのもいいぞ。よし、今から私が歌おう。
椎名 いえ、結構です。どうせ“おそ松”ですから。
<座談会メンバー>
山河浩 東京スポーツ記者。97年入社後、一貫して中央競馬担当の大穴党。04年の皐月賞では馬単1点勝負で150万円の払い戻し。今年はポケモンGOにハマり、第一世代は残り1つでコンプリート。
椎名竜大 スポーツ報知記者。10年に穴党に転じた直後のスプリンターズSで35万馬券を的中させ、一気にブレイク。“カラオケ党”でもあり、今回の座談会では“話題”のチャゲアスを熱唱して締めくくった。
水戸正晴 サンケイスポーツ記者。週刊アサヒ芸能で「万券を生む血統論」を連載する記者歴30年以上の超大穴党。1年に1度は手にしてきた帯封(100万円)だが、今年はいまだに実現せず。この有馬記念で大勝負する。