これはとんでもない衝撃をもたらすことになるのか。
今年6月1日に英国エプソム競馬場で行われるダービーステークス(G1・芝・1マイル4ハロン6ヤード=約2420メートル)に、日本馬が初参戦する可能性が出てきた。
日本では英ダービーと呼ばれ、ダービー伯爵エドワード=スミス=スタンリーとイギリスジョッキークラブ会長のチャールズ・バンベリー準男爵、そしてスタンリーの義叔父であるジョン・バーゴイン将軍によって1780年に創設された、伝統あるレースだ。あの元英国首相ウィンストン・チャーチルが「ダービー馬のオーナーになることは、一国の宰相になることより難しい」と語ったというエピソードも残っている。
今回が第245回目の開催となるが、過去に日本馬が出走したことはない。初回の登録馬は未勝利馬24頭を含めた72頭。その中に、昨年11月のデビュー戦を快勝し、今年の共同通信社杯(G3)で2歳王者ジャンタルマンタル(牡3歳、栗東・高野)に1馬身半差をつけて勝った、キズナ産駒のジャスティンミラノ(牡3歳、栗東・友道)が名を連ねた。ターフライターが期待を込めて次のように話す。
「世界中のダービーの起源になったレースで、英国内では『最も偉大な平地競走』と呼ばれています。英国やアイルランド以外の登録馬は、わずか3頭。フランスのロードショー、アメリカのコモンディフェンス、そしてジャスティンミラノです。勝ち負けは別にして、出走してほしいと思っている日本の競馬関係者は多いと思いますよ」。
この登録を受けて、英ジョッキークラブも早々と「ダービーに日本馬が初めて出走する可能性が生まれたことに感激している」とコメントを発している。
もし実現すれば、今年6月の最初の土曜日は、日本と英国の競馬界にとって歴史的な一日になる。さらにレースに勝つようなことになれば、メジャーリーグで日本人初の本塁打王となった大谷翔平クラスの快挙となるだけに、今後が注目される。