アジア映画初となるアカデミー賞の視覚効果賞を「ゴジラ-1.0」で受賞した山崎貴監督が、フードロスを訴える巨大怪獣を登場させた。
年間約244万トンと推定される家庭での廃棄食品の現状と、その解消を訴えるために、味の素が3月14日にウェブ動画「フードロス どうする!?人類篇」を公開。家庭での廃棄食品の悲しみが生んだ巨大怪獣「フードロスラ」を山崎監督がVFXで生み出したというわけだ。「フードロスラ」に光線銃はまったく役に立たない。そこで、味の素の調味料を使った料理でフードロスを防ごう…そんな思いが込められているのだった。ネットライターが解説する。
「メイキング映像の一部が、オリコンのYouTubeチャンネル〈oricon〉で公開されています。山崎監督の『よーい、スタート!』の発声とともに、渋谷駅前を逃げ惑う多くの人々の姿など、怪獣映画を彷彿させます。『フードロスラ』は、左右の目が2本飛び出しており、特撮テレビドラマ『ウルトラQ』をはじめとする『ウルトラシリーズ』に登場する怪獣『カネゴン』にどことなく似た風貌。明らかに違うのは、果物や野菜など、廃棄食品と思しき食材で体が形作られていることで、『フードロスラは、ウェルトゥムヌスの再来か』といった声も」
イタリアの画家ジュゼッペ・アルチンボルドの代表作「ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世」(1590年頃)は、神聖ローマ帝国の皇帝ルドルフ2世の肖像画を、野菜や果実、花で構成している。ウェルトゥムヌスは、様々な形態に変身できる能力を持つ豊穣の神であり、ルドルフ2世に変身した瞬間を描いたものと考えられている。
山崎監督は、巨大怪獣に見立てた「神」を生み出したのかもしれない。
(所ひで/ユーチューブライター)