映画「桜ノ雨」の主要キャストが発表され、第14代目リハウスガールの山本舞香が映画初主演を果たすことがわかった。同作品は、中高生には卒業式ソングとしておなじみのボーカロイド楽曲「桜ノ雨」をベースとしたものとなる。
9月11日に駆け巡ったこのニュースに、多くの大人は違和感をもったのではないだろうか。「卒業式ソングでおなじみ?」「そもそもボーカロイドってなに?」と。そんな反応に対して、ネット事情に詳しいIT系ライターが笑いながら解説する。
「デジタルネイティブではない中年世代がそう思うのも無理はないでしょうね。この『桜ノ雨』は2008年に発表された、初音ミクが歌うボーカロイド楽曲です。卒業をテーマとした曲で、作者らによる全国の卒業式で歌ってもらおうという運動が実を結び、今では中学や高校の卒業式では定番曲の一つとなっています」
ちなみにボーカロイドとは、人間のように歌を歌わせることができるソフトウェアのことで、初音ミクはそのなかでも代表的なキャラクターだ。ニコニコ動画やユーチューブには市井の作曲家が作ったボーカロイド楽曲が数万曲もアップされており、人気曲はカラオケ店でも歌えるなど、中高生は当たり前のように聴いているのである。
どうやら中年世代の知らない間に、時代は進んでいたようだ。しかもボーカロイド楽曲のようなインターネット発の曲だけではなく、中年世代には聴きなれない合唱曲が、今では全国の卒業式で歌われていることをご存じだろうか。40代の子持ちライターが教えてくれた。
「娘の中学校の卒業式で『旅立ちの日に』という曲が歌われていたんです。初めて聴いたのですが、なかなかいい曲だと思っていたら、なんでパパは知らないのと逆に驚かれてしまいました(笑)」
この「旅立ちの日に」は1991年に、埼玉県の中学校教員が作った曲。それが今では音楽の教科書にも掲載されるほど有名な曲になっている。中年世代の知らない間に、卒業式もいろいろ変わってきているようだ。
(白根麻子)