今、にわかに注目されている「当たるんです」という1億円くじをご存じか?実は先日、一部の新聞でも報じられたオートレースの新車券「4重勝単勝式」と同一のもの。「毎日、誰かに最大1億円」「当選確率4096分の1」と、甘~い言葉が並ぶが‥‥。
そもそも、最初に「当たるんです」をスクープしたのは、10月20日のスポーツ報知。「オートレースで必ず1人に1億円が当たる夢のくじ」と社会面で大きく報じたのだ。他紙のレース部デスクが振り返る。
「その報道後、すぐにオートレースの運営を担う公益財団法人JKAのオートレース事業部がHPで『本日の一部報道について』と題し、『発売開始を決定した事実はない』という旨の否定メッセージを掲載した。なので“ガセ”か? と思っていたら、意外なところで準備が進んでいることが発覚したんです」
10月30日、五輪王者の羽生結弦が出場したフィギュアスケートGPシリーズ第2戦・カナダ大会のリンクの壁面に、「当たるんです」の広告が大手企業と一緒に並んでいたのだ。しかも羽生が華麗なフィニッシュを決めた際、背後の広告がテレビに映し出された。
「あれで『当たるんです』って何? という声がネット上で飛び交い、調べてみると、いつの間にか公式サイトが立ち上がっていた。サイトを開設したのは公営競技の運営をサポートする日本写真判定で、『もうすぐ〈当たるんです〉始動記念』として、ドバイ旅行キャンペーンもスタートしています」(前出・レース部デスク)
その公式サイトを見ると「当たるんですは、法律で認められた公営競技をロトくじ感覚で楽しめる投票券です」と書かれている。
「確率が4096分の1とある以上、公営競技の対象がオートレース(8車立て)なのは明白です。先日、報じられた新車券『4重勝単勝式』の確率も8(車)の4乗で4096分の1。競輪(9車)や競艇(6艇)では、4乗したところで、その確率にはなりませんからね」(前出・レース部デスク)
そこでさっそく、日本写真判定に問い合わせると、「主催者の自治体からの正式発表前にお答えする立場にありません」との回答。
なかなか「当たるんです」の全容がつかめない中、11月9日、朝日新聞デジタル版が「山陽小野田市は、同市の山陽オートレース場をはじめとする全国5場で実施されるオートレースで、『新重勝式』と呼ばれる新しい種類の勝車投票券を12月にも発売する方針を固めた」と伝え、翌10日には日刊スポーツも、オート新車券について報じた。
どちらも「当たるんです」という名称には触れていないが、同じものと考えて、まず間違いないだろう。