ノビノビしている首脳陣の筆頭は、桑田真澄2軍監督(55)だ。21年1月に原監督から急遽要請を受け、1軍投手チーフコーチ補佐として古巣に現場復帰。22年から1軍投手チーフコーチに昇格するが、翌23年にファーム総監督へと配置転換されていた。
「そもそも原さんと桑田さんは現役時代から折り合いが悪かった。それでも原さんはチーム改革のためと、あえて桑田さんを招聘しましたが、最終的にはやはり意見の相違から衝突。桑田さんはファームの閑職へ左遷される格好となった。ところが阿部監督がトップになり、2軍監督として復権を果たしたことで桑田さんは大喜びしています。『慎之助は本当に野球をよくわかっているね』と周囲に漏らし、今や〝超ご機嫌状態〟です」(球団関係者)
一方、原氏の監督退任に伴い、チームを去らねばならなかったのは、デーブこと大久保博元氏(57)だ。大久保氏は23年から、原監督の強い要請で1軍打撃チーフコーチに就任。独特な指導や言動は話題を呼んだが、成績は伴わず1年限りで退団することになった。
「デーブはマスコミ受けこそよかったが、選手の評判は最悪でした。あるベテラン選手は、デーブがシーズン中に衆人環視のベンチ裏にスコアラーをわざわざ呼びつけて『お前らがだらしないからダメなんだ!』と叱り飛ばしたことで『あんな奴、早くクビにした方がいい』と憤慨していた。そんなデーブがいなくなり、選手たちは『もうYouTubeのネタにされたり、暴露されたりすることもない』と口々に言い合って嬉々としている」(民放局の巨人番記者)
大久保氏は現在、巨人側から「現場取材NG」をやんわりと通達されている模様だ。
様々な「激変」が重なる中、阿部新体制下でキラリと光るのが二岡智宏ヘッド兼打撃チーフコーチ(47)だ。〝若き新指揮官の右腕〟は、選手たちを徹底的に厳しく鍛え上げ続けている。評論家もこう太鼓判を押す。
「若手選手たちへ常に厳しい視線を投げかけ、チーム全体にいい緊張感を生み出している。『僕はあえて嫌われ役に徹しますよ』と頼もしい言葉も発し、阿部監督にとって非常に心強い限りでしょう。常勝チームになるには、ヘッド格が選手たちを引き締める役割、つまり『必要悪』にならなければならない。阿部監督が二岡をヘッドに置いたのは『ファインプレー』だったと言えます」
「原排除」で一新されたチームとともに、45歳を迎える若き指揮官は信念を曲げず、4年ぶりのV奪回成るだろうか。