原監督の第2次政権時代、両者の間に吹き始めた微妙な隙間風を示す長嶋氏のエピソードがある。
「あれは10年のシーズン。この年は、中日にナゴヤドームで2勝10敗と大きく負け越して優勝をさらわれ、リーグ4連覇を逃した。中日にしてやられた原巨人について、ミスターが『俺ならもっとうまくやる』とポツリとつぶやいたんだよ。めったなことでは他人の采配に関して四の五の言わない人が『俺なら』なんていうセリフを口にしたので、やはり愛弟子・原監督への意地のようなものがあるのだなと感じられた」(長嶋氏に近い関係者)
ちなみに「長嶋vs原」の図式は当人同士だけにとどまらない。とある巨人OBが、見えにくいバトルの構図を口にする。
「アサ芸さんや他のメディアでも何度か登場済みですが、原監督にベッタリと付くメディア関係者のフィクサー・X氏がいる。実は長嶋さんにもX氏と同じような立場で裏側からサポートする、ミスターの右腕のような関係者が存在する。非常に有能で、山口オーナーからも気に入られて球団とも雇用契約を交わし、それなりの発言権も得ていた人物ですが、業界内では『X氏と微妙な関係』とささやかれているんです。そしてここ最近、原監督体制になったとほぼ同時に『どうやら表舞台から失脚したらしい。X氏によって飛ばされたのか』との噂が広まっている。もしも本当に原体制復活によってミスターの右腕が失脚したとなれば、さすがに長嶋さんもおもしろくないでしょう」
さて、その「打倒・原」に執念を燃やす長嶋氏は、いつ現場復帰を果たすつもりなのか。
「ミスターには、美学がある。中途半端に出てきて、弱々しい姿だけはファンに見せたくないんです。だから車椅子姿ではなく、自分の足でしっかりと歩いて元気な体を見せつけると同時に『やっぱりミスターはすごい』というメッセージを世の中に発するつもりなのでしょう。恐らく春季キャンプ、それも自分が名付けたサンマリンスタジアム宮崎に行くことを目標としているに違いない。そこで原監督をも驚かせる気でいるのです」(長嶋氏に近い関係者)
空前の巨大補強で19年の巨人はV奪回に期待がかかる反面、原監督の独裁体制を懸念する声も一部から出始めている。パワーバランスを取るためにも、「打倒・原」に燃える長嶋氏の復活こそが良薬となるのかもしれない。