開幕を前にプロ野球界が騒然としている。人気漫画「闇金ウシジマくん」顔負けの〝闇金晒し〟に遭った関係者がいるというのである。
在京テレビ局のスポーツディレクターが語る。
「昨年まで大手スポーツ紙でプロ野球担当記者をしていた、Aという31歳の男性記者がいます。入社後、整理部を経てアマチュア、プロの順で野球畑の経歴を積み重ねていましたが、昨年後半から現場を休みがちになったそうです。ここ数年は自身の出身地の球団を担当することになり『地元に帰ることができてうれしい』と喜んでいました」
順風満帆なのかと思いきや、今年2月上旬、とあるインターネットサイトを開くとA氏の実名が掲載されていた。そればかりか、顔写真、自宅住所、携帯電話番号、さらには勤務先の会社名までが晒されて、〈初回司法書士で司にも支払いせず飛び〉(原文ママ)と記されていたのだ。
「Aは昨年10月にも同じサイトで〈詐欺師〉〈寸借詐欺〉と書かれていて、まるで犯罪者のように、運転免許証の表面と、免許証を手にした上半身姿の写真が今現在も掲載されたままです」(前出・スポーツディレクター)
事態が周囲に知れたのは、無断欠勤を繰り返したことに加え、貸した側と称する人物が強硬手段に出たからだという。
「今年に入ってから勤め先に直接、債権回収担当者が乗り込んできたんです。それ以前からAと連絡が取れなくなっていた会社側は、改めてAに電話を試みましたが、音信不通が続いている。社会的影響力ある媒体のため、大事にならないよう、ひとまず弁済する方向で話が進んでいるといいます」
この話は、一部始終が担当していた球団にも知れ渡っている。
当該球団の関係者が心配顔で言う。
「うちの人間で被害に遭った者は今のところいないと聞いていますが、Aさんは選手とギャンブルの話をする機会が多かったようです。闇金でお金を借りている可能性が高いようで、選手が巻き込まれていないかと─」
金融関係者がその対策を訴える。
「A氏が晒されたサイトには、他にも現役アスリートから一般人までが免許証を持って掲載されて、判で押したように〝詐欺師〟と断罪されている。まともなやり方ではなく、債権回収不能な人物を一斉に晒し、社会的制裁を食らわせて追い込もうとしているのではないか。闇金に手を出したら最後と言われていますが、分割返済や自己破産などの手立てもある。いずれにせよ、弁護士、司法書士など専門家に相談してほしい」
首を傾げながら、ベテランプロ野球記者が嘆く。
「昔はマスコミの給与もよく、破天荒な記者も多かった。酒、オンナ、バクチで借金を抱えて会社を去った人間も一定数はいましたが、近年はそんなトラブルを耳にする機会も減っていた。Aは人当たりがよく、とても金銭トラブルを抱えているとは思えない性格だったと聞いていたのですが‥‥」
「借金生活突入」とは、原稿上だけで十分だろう。