歌手の吉幾三さんが動画投稿サイトYouTubeで、昨年5月に飛行機に乗り合わせた国会議員の態度が「非常に横柄だった」と告発したところ、「匿名の客室乗務員(CA)からの手紙」で、その人物が特定された。吉さんは自民党の長谷川岳参院議員(北海道選挙区、当選3回)であったと明かしたのだが、
「パワハラ横綱と呼ばれている人。いつかはトラブルが表面化するんじゃないかと思っていた」(自民党中堅議員)
吉は昨年の動画を視聴したという客室乗務員からの手紙を紹介した。このCAによれば、長谷川氏が搭乗する際には「枕を2つ用意する」などと注意点が細かく指示されているという。
「遅れたらどうのこうのとか、大きな声を出していいのか。国会議員はもっと襟を正さないといけないのではないか。人との接し方をちゃんとしないと。恥ずかしい」
吉さんはそう言って、長谷川氏を痛烈に批判した。
当の長谷川氏は3月21日に自身のブログに、航空会社の対応について、機内で発言をする際には「三つの原則」があると書き込んだ。
〈本日は航空政策および飛行機の遅延についての考え方を述べたいと思います。私は、航空会社の対応について、機内で発言をする際、三つの原則に従います。一つ目は「正確な情報を伝えているか」、二つ目は「不都合な情報をしっかりと開示しているか」、三つ目は、「正しい見立てを立てた情報発信となっているか」の三点です〉
その上で、飛行機が遅延した場合に自身が機内で発言したケースを紹介し、それぞれ三つの原則に該当するとした。
吉さんの動画には触れなかったが、事実上クレームをつけたのは自身であることを認めたようなものだ。前出の中堅議員によると、
「長谷川氏は航空会社だけでなく、役所にも厳しくあたることで有名。党内でも『圧が強い』ことを売りにしてきたが、もはや時代遅れ」
自民党はいつまで、こんな議員をのさばらせておくのか。
(田中紘二/政治ジャーナリスト)