社会

小林製薬「紅麹で死者」大パニック!「人類がまだ知らない何か」を作り出したまさかの可能性

 小林製薬の「紅麹」を使ったサプリメントを服用していた人の健康被害が拡大している。死因との関連は不明だが、3月26日には同サプリを飲んでいた人が1人亡くなっていたことも、新たに発表された。同じ紅麹原料を使っていた味噌や塩辛、日本酒など他の食品メーカーでも、商品の自主回収が相次いでいる。

 紅麹は沖縄の郷土料理、豆腐ようのほか、台湾や中国福建省の肉料理にも使われている。表面が赤くなった焼き豚、あの赤いのが紅麹だ。紅麹には肉を柔らかくして旨味を増す効果があり、日本国内や台湾、中国では紅麹を使った食品や調味料が長らく販売されてきた。

 今回「紅麹」サプリで死人が出たからといって、紅麹と紅麹を使った食材や伝統料理を過剰に怖がる必要はない。

 ただ、紅麹はシトリニンという「カビ毒」を発生することがあり、胎児への影響や腎不全を起こすことが知られている。

 日本国内でも2014年から内閣府の食品安全委員会が「紅麹を使ったサプリメントに注意」と注意喚起を続けていた。今回と同じく「血中のコレステロール値を正常に保つ」紅麹サプリメントの摂取が原因と疑われる健康被害がヨーロッパで相次ぎ、日本の食品安全委員会の公式サイトでは、

〈EUは一部の紅麹菌株が生産する有毒物質であるシトリニンのサプリメント中の基準値を設定しました。フランスは摂取前に医師に相談するように注意喚起しており、スイスでは紅麹を成分とする製品は、食品としても薬品としても売買は違法とされています〉

 と明記されている。

 酪農国スイスでは特に紅麹の規制が厳しく「豆腐よう」や「紅麹漬けの製品」の持ち込みは引っかかる。

 小林製薬はそれでも、紅麹がもたらすデメリットよりもメリットに注目。自主回収を進めている、コレステロールを下げる効果があるサプリメントの開発をするにあたり、同社の公式サイトで次のように発表していた。

〈日本、台湾、中国において食品用途に主に使用されている紅麹菌3種(M.pilosus=日本、M.purpureus=中国、M.ruber=台湾)について、次世代シークエンサーを使った全ゲノム解析を行い、シトリニンの産生能について検証したところ、M.pilosus NBRC 4520には腎毒性の健康被害をもたらすカビ毒シトリニンが生成不能であることが明らかになりました〉

 同社はカビ毒シトリニンを作り出せない遺伝子を持った紅麹菌を見つけて、それを原料にしたサプリを開発したはずだったが、その紅麹菌が特定の条件下では腎臓に毒性を持つ、シトリニン以外の「人類がまだ知らない何か」を作り出している可能性が出てきた。これが生きた細胞や生きた菌を原料にした医薬品やサプリメントの怖いところで、同じ紅麹を使った食品が一斉回収される事態になっている。

 血液検査で「要精密検査」と指摘されるほど、コレステロール値や血糖値が病的に悪いならサプリを飲む前に病院へ行き、自分の食生活と運動習慣を見直した方がいい。鉄分とビタミンCのサプリを飲んでいた若い女性に胃ガンや白血病、子宮ガンが見つかることもあるし、サプリメントが原因で尿管結石や不整脈にもなる。意外なところでは、高齢者がよかれと思ってカルシウムのサプリを飲んでいたら、そのせいで骨粗鬆症の治療薬が効かなかったということもある。

 サプリメントのパッケージや添付文書には、他に処方薬を飲んでいる人はサプリを飲む前に医師や薬剤師に相談するよう、注意書きがある。簡単に買い求められるからといって、サプリメントの影響を侮らない方がいい。

(那須優子/医療ジャーナリスト)

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