今年8月30日、厚生労働省は、「全国的に新規HIV感染・エイズ患者数は横ばいの傾向にある」と報告している。しかし、同じく厚労省の「エイズ発生動向」の分析データに、01年から15年までの感染および患者の数を5年ごとに都道府県別に集計したデータがある。
このデータによれば、大都市を抱える東京、愛知、大阪などが近年は減少傾向にあることがわかる。その一方で、福岡は01~05年こそ計87人だったが、その後、230人、308人と急増しているのだ。また、その他の九州エリアでもほぼ増加の一途をたどっていることもわかる。
なぜ九州ブロックばかりが急増しているのか?
「西の玄関口になっていることが大きい。近隣アジア諸国からの観光客の数が増えていることが考えられます。往来が増えたことで、ウイルスが持ち込まれて広がったことが原因の一つかもしれない」(福岡市保健予防課担当者)
近年の観光客の増加、アジアに近いという地理的状況が要因として考えられるという。
また、HIVの感染経路は80%以上が性的接触で、特に男性の「同性間性的接触」による場合が大多数を占めている。
裏風俗に詳しい風俗ライターの前田たかより氏が博多のハッテン場の現状について詳述する。
「福岡にはちょうど博多と天神の間の那珂川周辺に2つの立ちんぼスポットがあります。川の西側はもともと熟女エリアでしたが、最近では男娼も入り交じっている。とはいえ、大柄なので暗がりでもすぐに男性だと判別できます。ただし、川を渡った東側にもホテル街があり、このエリアの男娼はスリムで女装も完璧なので見分けがつかないかも‥‥。最近はアジアから来たゲイボーイも増えています」
酔った帰り道、妖艶“美女”から「ナマ本番」と甘くささやかれ、ヤル気を起こすのはご法度なのだ。
中原氏が注意を喚起する。
「エイズは80年代に日本人でも患者が出るなど大騒ぎとなりましたが、今は薬でウイルスを完全にコントロールでき、いきなり命を失うような怖い病気ではなくなった。その半面、エイズに関する報道は減少している。エイズは性行為時に気をつければ、伝染する病気ではありません。初めての相手と行きずりセックスする場合にコンドームをつけることは不可欠です。感染して風評のいい病気ではないのも事実なので、予防をきちんとして、自分自身を守るべき」
九州男児のみならず、「ナマ本番」に油断は禁物だ。