明治の文学者として知られる正岡子規が、野球好きだったというのは有名な話だ。バッター、ランナー、ストレート、フライボールなどの外来語に対して、打者、走者、直球、飛球という翻訳案を創作。日本初の野球小説と言われている「山吹の一枝」を執筆するなどの功績も評価され、2002年に野球殿堂入りを果たしている。
野球解説者の広澤克実氏が、大久保博元氏のYouTubeチャンネル〈デーブ大久保チャンネル〉でそうしたウンチクとともに「和製英語に違和感あり」を唱えた。
正岡が「base on balls」を「四球」、「hit by a pitch」を「死球」と訳したことを広澤氏が紹介。当時の媒体は活字だけで問題なかったが、野球のテレビ放送が始まると、読みが「しきゅう」で同音となることから「フォアボール」「デッドボール」と発音した。だが「フォアボール」は本来、複数形であることから広澤氏は、
「フォアボールズにしなくちゃいけない」
「ネクストバッターズサークル」を「次打席」とする和製英語は、正しくは「on-deck circle」。つまり、船の甲板を指す用語だ。
「風だとか天気だとか波の速さだとか、色んな情報を集めやすいんで、オンデックっていうわけだ。野球もあそこで情報を集める。そんな意味が深いところでさ、ネクストバッターズサークルになっちゃった」(広澤氏)
偉大な文学者も驚きのツッコミであった。
(所ひで/ユーチューブライター)