4月3日に発生した台湾東部の花蓮市付近を震源とする震度6強の大地震被害は、4日午後5時の情報によると死者10人、ケガ人1067人にのぼっていることがわかった。地震の数分後に発令された沖縄本島地方や宮古島・八重山地方の津波警報では県民のみならず、沖縄を訪れていた旅行客にも大きな影響を与えた。
警報発令中、高台に一斉に避難する車による渋滞で、現地ではパニックの声も聞かれた。もし沖縄旅行中に津波警報が発令された場合、観光客はどこへ逃げればいいのか。地元マスコミ関係者が言う。
「今回の件でわかったのですが、沖縄には高齢者が多いことから、多くの人が車で避難しました。旅行者がレンタカーなどで避難するのは推奨できません。沖縄は軍の飛行訓練があり、那覇空港が近いことから、那覇市の中心地には(津波避難場所となりうる)高層ビルが少ない。旅行中に津波警報が出た時に備えて、近くの防災マップを確認して避難するようにしてください」
那覇市の「津波緊急一時避難施設」では、津波避難ビルとして商業ビルやホテルなどが確認できる。先日の地震は4月の始めということもあり、比較的、観光客が少ない時期ではあった。沖縄県による「令和2年度~令和5年度の入域観光客数」によると、観光客が多いのは7月、10月、2月。もしこの時期に今回のような津波警報が出た場合、全ての人が避難できるのだろうか。
「国際通りには多くのホテルがありながらも、まだ一時避難施設として指定されていない現状があります。今回も外国人観光客から『日本語の避難指示が理解できない』という声が多く寄せられました。国際通りには外資系のホテルが増えており、日本人だけでなく外国人向けにも避難施設として開放すべきである、という課題が浮かび上がっています」(前出・地元マスコミ関係者)
旅行者が安全に滞在できるよう、県内のホテルにおいてスタッフの多言語対応の強化や緊急時の対応訓練の実施など、避難施設としての機能を強化する取り組みが必要になる。