死者まで出した小林製薬の「紅麹」をめぐる健康被害問題では腎臓機能の低下がクローズアップされ、透析にまで及んだケースもあるとされる。
東洋医学の五臓(肝・心・脾・肺・腎)の中でも、生命機能に深く関わる「腎」は、若さの象徴といわれる。腎の中にあるエネルギー「腎気」は35歳頃を境に減少していくが、普段の食事から補い、養生することができるという。
中医学でもとりわけ重視しているのが「腎」の働きだが、
「腎は西洋医学で分類される腎臓とは少し違います」
と解説するのは、健康ジャーナリストだ。続けて、
「腎臓は血液をろ過して老廃物を排出し、水の代謝を調整する働きなどが一般的ですが、腎はそうした水の代謝に関わる働き以外に、精(生命エネルギー)を宿すという大事な役割があります。これを『腎気』といいます。腎気は人の成長や成熟、老化に関係しており、西洋医学でいう成長ホルモンなどに深く結び付く働きをします。この腎気の総量が少ないと体質的に弱く、腎臓病の症状が出やすいといわれます。また食生活やストレスなどの影響で腎気が急激に弱ると、冷えやむくみを感じたり、白髪や抜け毛が多くなってくるなどの変化が起きやすくなるのです」
となると、日常生活の中で「腎気を補う」ケアが大切になる。腎気を高める強力な食材はあるのか。
実は腎と相性のいい色が黒で、黒い食品は腎のエネルギーを強化、補充すると言われている。
「特に黒大豆、黒米、黒ゴマ、小豆、キクラゲのほか、コンブやヒジキ、ワカメなどの海藻類や、黒カシスなどの果実もいいでしょう。中にはその黒大豆や黒米、黒松の実などいくつもの黒い食材から作られた『古代食』なるものも売られていますね」(前出・健康ジャーナリスト)
そうした黒い食材を粉末にした食品もあるというから、利用する価値があるかもしれない。