昨年7月に発生した九州北部豪雨災害は、福岡県と大分県で計39名(1月4日現在)の死者を出した。今年はどんな「天変地異」が日本列島を襲うのか。専門家が戦慄のシミュレーションを導き出した。
「静かな年の翌年は必ず大きいのが来ると思っておいたほうがいい」
こう警鐘を鳴らすのは、武蔵野学院大学特任教授で地震学者の島村英紀氏だ。実際、昨年に日本で起きた「震度5弱以上」の地震は8回で、16年の33回に比べると圧倒的に少ない。島村氏が続ける。
「先頃、地震調査研究推進本部(以下、地震本部)が東日本大震災の震源域の北側で大地震が発生する可能性が迫っていると発表しました。今後30年で40%ですから、指摘された地域に住む人にとっては深刻でしょう。しかし、実は南側の茨城から房総にかけての、首都直下地震につながる大地震もいつ発生するかわかりません。日本は今、地震の活動期にさしかかっているので致し方ありませんが、南海トラフの巨大地震など、東京オリンピックを前に天変地異が続く可能性すらあります」
M9級の超巨大地震が想定されるのは、北海道東部の十勝沖から根室沖にまたがる長さ300キロ以上の震源域。前回の超巨大地震は約400年前に起きたとされ、内陸部の堆積物から、地震発生時には約24メートルの大津波が北海道東部に押し寄せたという研究結果も出ている。地震本部の担当者が言う。
「津波は関東地方にまで及び、特に太平洋側の茨城、千葉などは警戒が必要です。実際、東日本大震災の際は葛西で3メートルの津波が観測されました」
震源地は北海道でも、東京湾に大津波襲来となれば他人事ではない。
地震前兆研究家の百瀬直也氏によれば、事態はさらに逼迫しているという。
「去る1月2日に、年内で月が最接近する『スーパームーン』がありましたが、16年11月14日に大接近した際の『エクストリームスーパームーン』当日には、ニュージーランドでM7.8が、その8日後には福島県沖でM7.4の地震が起きたように、年明けから警戒が必要です。18年は地球の自転速度が減速することによって、大地震のリスクが3倍になるという米科学者の研究報告もあり、やはり大きな地震には要注意な年となるでしょう」