旅打ちの楽しみのひとつは食べることだが、JRAの特に大都会の競馬場には、地方色を期待するのは難しいようだ。大手飲食チェーンやオーソドックスな食堂やらがあって、何でも食べることはできるが、ここならではとか、あそこに行った時は必ず食べたい、というメニューが少ない。
唐津ボートのように、洋食ならいちばん揃っているとか、松阪競輪のように、伊勢神宮がある土地柄ならでの伊勢うどんとかなら、グッとくるのだが。
阪神競馬場も同様だ。関西ならではとなると、お好み焼きとうどんくらいか。3階の「点ちゃん」のお好焼き、2階の「さぬきや」のうどんでお腹を満たすことに。
そして7Rに臨む。4歳以上2勝クラス、ダート1400メートル、16頭立てだ。2024年リーディング5位の鮫島克駿騎手が⑨シゲルソロソロに騎乗する。シゲルは1400メートル、ダートの持ちタイムは悪くなく、前走1着で状態もよさそうながら、6番人気と評価が低い。ソロソロ勝ちます、だ。 ここは人気馬との馬連①⑦、⑦⑨、⑨⑭、⑨⑮の4点に各1000円といく。
レースは4コーナーから早めに押し上げた⑯が、後続馬を振り切って勝利。2着⑨、3着に⑮が入る。馬連⑨⑯の払い戻しは2万9840円、3連単は21万2950円の波乱となった。⑨から流しておけば…というのはタラレバ。⑯は想定外だった。
8Rと9Rは軸になる馬を決めるのが難しいので、馬券は3連複でいくことにする。
まずは8Rだが、4歳以上2勝クラス、芝内2000メートル、15頭立てだ。③④⑥⑫⑬の5頭ボックスを選択する。結果は1着⑥、2着⑮、3着⑤で、3連複⑤⑥⑮は1万4620円(3連単⑥⑮⑤は6万3000円)で、ドボンだ。
気を取り直して9Rのバイオレットステークスに臨む。3歳オープン、ダート1400メートルの11頭立てである。馬券は3連複②⑤⑦⑨⑪で。
結果は1着⑦、2着②、3着⑨だった。3連複②⑦⑨をゲットするも、配当は1番人気の950円だった(3連単⑦②⑨は7740円)。トリガミだ。
10Rはキタサンブラックカップ、4歳以上3勝クラス、芝内1400メートル、17頭立て。1着は3番人気の③で想定内だが、2着は12番人気の⑬、3着は11番人気の⑩で、3連単⑥⑬⑩が75万8880円の大穴に。馬券はもちろん、ドボンである。
そして、メイン11RのGI大阪杯。GIになると情報量が飛躍的に増えるが、馬の目利きではないから、馬体情報などは参考にしない。チェックするのは予想専門紙などの片隅に載っている、過去のデータだ。
大阪杯で気になったのは、過去10年間で3連単に絡んだ馬の人気、前年秋のGI戦の連対実績、優勝馬の前走成績、そして牝馬である。
過去10年で1~4番人気が3着までにこなかった年はない。1、2番人気が3着までに入ったのは4回。今年の1番人気は③タスティエーラ、2番人気⑪べラジオオペラ、3番人気②ローシャムパーク、4番人気⑧プラダリアだ。ちなみに数日前に行った飲み屋で、なぜかパリのオペラ座の話になった。⑪べラジオオペラが気になる。
前年秋のGI連対実績は③と⑦ハーパー、⑬ルージュエヴァイユ。優勝馬の前走成績では有馬記念、金鯱賞、中山記念など。牝馬は2020年は1着と2着、2021年1着、2022年2着、2023年2着と、必ず絡んでいる。今回は①ミッキーゴージャス、⑤スタニングローズ、⑦、⑬の4頭だ。
で、結論。1着②③⑧⑪の4頭、2着3着に①⑤、そして⑩ソールオリエンスを加えた3連単120点。いっぱい買ったが、どれが来てもほぼトリガミにならない。迷ったのは牝馬の選択で、①と⑤にする。外枠勢が連絡みしていることも気になった。
結果は2番手追走の⑪がゴール前の追い比べで勝ち、後方から一気のマクリで迫った②、追い込んだ⑬の順で決まった。3連単⑪②⑬は9万3050円だった。
牝馬を選んだ時に、GI実績がある⑬を入れておけばゲットできた馬券だった。⑬は馬体重量がマイナス14キロ。大幅増減馬を買わないというポリシーだから、仕方がないが。
というわけで、この日はこれで終了。仁川駅で親戚の正雄さんと待ち合わせ、駅前にある焼鳥店で一献となった。正雄さんは今年90歳。飲むし、よく食べる。
実は後日談がある。4月7日の桜花賞はスマホで購入し、枠連⑤⑥馬券で勝負した。⑫ステレンボッシュと⑨アスコリピチェーノの枠連⑤⑥560円を8000円分。これを的中させたことで、大阪杯の負けを取り返した。
(峯田淳/コラムニスト)