発売前から大きなニュースになっていた肥満治療薬「アライ」が店頭販売された。事前予約で3000個が売れ、早くも完売の薬局が出るほどの人気ぶりだ。
漢方系以外で薬局で買える痩せ薬は、国内初。オムツが必要だという報道もあるが、いったいどういうことなのか。
「このシステムはゼニカルと同じではないですか。ゼニカルは肥満症を改善するためのウエイトコントロール薬で、私はこれを飲んでいたことがあります」
そう話すのは、美容ライターだ。続けて、
「ゼニカルは美容クリニックで診察の上、処方してもらうのですが、脂っこい食事が好きな人はすごく痩せた印象です。私がゼニカルを飲んでいたところ、車の運転中にオナラをしたら、オナラと一緒に脂が出て、座席がベトベトになった苦い思い出があります」
要するに、脂を体から排出させる肥満対策の薬なのだが、その脂が出るとエライことになるというのだ。
東京・表参道にあるR.O.clinic(アールオークリニック/形成外科・美容外科・美容皮膚科)の呂秀彦院長いわく、
「ゼニカルとアライは、どちらも有効成分がオルリスタット(一般名)の抗肥満薬で、アライ(60mg)はゼニカル(120mg)に代わるもの。脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K、βカロテン)の吸収も阻害されることがあるので、オルリスタットの長期服用に関しては、これらのビタミン類の摂取量を増やす必要がある。サプリ等で補充することをおすすめします。お腹がゆるくなることもあるため、注意が必要です。なお、臓器移植を受けた方、血液の抗凝固薬を服用している方、糖尿病や甲状腺疾患の方は、事前に主治医に相談して下さい」
アライの服用によって脂を便として排出するため、確かに下痢や軟便などの副作用があるといい、発売元の大正製薬はおむつや便漏れパッドの着用を推奨している。
先の美容ライターのような「事件」を起こさないためにも、やはり対策を施した方がよさそうな…。
(小津うゆ)