長生きなのは小太りタイプかスリムタイプか、も悩ましい。
肥満の基準はBMI=体重(キロ)÷身長(メートル)の2乗=が25以上。米疾病対策センターの昨年発表によると、BMIが25以上30未満の小太りの人では、普通体重(BMI18.5~25未満)と比較すると、死亡リスクが低下していたという。これまでの常識はBMI22の人が最も病気にかかりにくいとされてきたが、それを覆す内容だった。
大学病院の医師が続ける。
「メタボ検診は内臓脂肪の蓄積による腹部肥満を問題にしています。ところが、腹囲やBMIが基準未満でも、血圧が高く血液検査に問題があれば、循環器疾患を発症する。逆に言えば、小太りでも血圧や血液検査が正常なら問題ない」
実際、東海大の大櫛陽一教授が、神奈川県伊勢原市の40歳以上の住民計約2万2000人を対象に平均7年間追跡調査したところ、BMIがメタボ健診の基準を少し超える「小太り」(BMI25~27未満)の人の死亡率が最も低く、「やせ」(BMI18.5未満)が最も高かった。
「日本人には健康に影響を与える肥満は少ない。世界的に見るとスリムなのです」(医師)
もともと欧米では肥満の基準がBMI30以上。要するに日本の基準は、前提が間違っていたのだ。「小太りが長生き」は信じていい情報だろう。
水はたくさん飲むべきかほどほどにすべきか。松本氏が言う。
「喉が渇いたら飲むのが正しいでしょう。飲みたくもないのに、飲んだほうがいいからとか、脱水になるから飲まなければならないという風潮はおかしい。逆に飲みたいのに我慢するのもおかしい。『水毒』というのは心不全や腎不全のある人に対する言葉で、健康な人には当てはまらない」
果物は体にいいのか悪いのか。血糖値を上げるとして果物をとることに反対する人もいるが‥‥。
「果物は基本的にすばらしい食品。大いに食べたほうがよいでしょう。果物を毛嫌いする食養生家は多いのですが、そんなことはありません。果物を中心に食べる、果食は私の理想食でもあります。あのマハトマ・ガンジーも果物が最高だと言っています」(松本氏)
ちなみに、果物には抗酸化作用の働きが強い「ファイトケミカル」が多く含まれているというから、このジャッジは「食べるべき」に軍配が上がりそうだ。