今季から2球団増え、全14球団で試合が行われているのが、プロ野球の2軍だ。新潟を本拠地にするオイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブは、戦力外となった選手を加え、イースタン・リーグ優勝を目指している。
オイシックスは一時、ヤクルトと巨人に4連勝すると、橋上秀樹監督は「選手たちの目の輝きをすごく感じる」とホクホク顔。ところが4月16日からのロッテ戦と日本ハム戦でまさかの6連敗を喫すると、最下位に転落した。
チームでなかなか結果が出ないのは、元広島の薮田和樹だ。2017年に15勝で最高勝率のタイトルに輝き、侍JAPANに選出されたが、翌年以降は6年間でわずか4勝しか挙げられず、戦力外通告を受けた。今季はオイシックスに移籍して1軍球団への復活を目指すも、今のところ6試合の登板で、勝ちはついていない。スポーツライターが語る。
「薮田は4月20日の日本ハム戦で4回まで無失点でしたが、5回に先頭打者を四球で歩かせると、フェンス直撃の二塁打など連打を浴びて2失点。その後は打線の援護がなく、負け投手となっています。自己最速の156キロには届きませんが、これまでなかなか出なかった150キロ超えを達成し、状態は決して悪くない。これから勝利を重ねていくことができれば、1軍復帰の可能性は見えてくるでしょう」
元阪神ドラフト1位の高山俊も振るわない。18試合に出場した時点で、打率2割4分2厘、0本塁打、3打点。実に物足りない数字なのだ。
高山は2015年のドラフト会議で阪神とヤクルトが競合し、抽選の末に阪神が交渉権を獲得。当時の金本知憲監督から高い評価を得て、球団としては44年ぶりに新人開幕戦1番打者としてスタメン起用され、新人賞を獲得した。前出のスポーツライターも厳しい評価を与える。
「潜在能力は高いのですが、2020年に不調に陥ってからは上向かず、2023年に戦力外通告を受けています。ここまでは阪神時代の2軍の成績とほとんど変わりません。今でも足は速いので、課題の守備力さえ向上すれば1軍へのチャンスはあるかもしれませんが、現状はかなり厳しいですね」
今季から新規参入した「くふうハヤテ」にも同様の選手が複数、所属しており、1軍球団への返り咲きを目指して練習に励んでいる。
来季、薮田や高山を含め、何人が表舞台に戻ることができるのか。楽しみに待ちたい。
(ケン高田)