清宮獲得ではもう一つの懸案事項が横たわる。海外FA権を取得する前にメジャー挑戦を容認するかである。
「面談ではさすがに直接的なポスティングの是非は聞かれなかったようですが、清宮本人のメジャー志向はどの球団も把握している。12年にリトルリーグで世界一を成し遂げてからの夢で、将来を見据えて英語も勉強している。今年9月にカナダで行われたU18ワールドカップでは、通訳なしで外国人選手と会話し、周囲を仰天させていた」(スポーツ紙デスク)
となれば、原則的にポスティング移籍を不可としてきたソフトバンクと巨人の2球団はどうなるのか。
「ソフトバンクは王貞治会長(77)という早実OB最大の縁故があるため、交渉に会長が直接動けば気持ちが揺らぐこともあるでしょう。一方の巨人は、読売グループ本社の幹部が『阿部(慎之助・38)もいらない』と口にするほど、若返りに向けて清宮にご執心のようで、球団内でもポスティングを容認するのではと噂されている」(NPB関係者)
巨人には「入団拒否される」という赤っ恥の事態も予想されるというが、
「当初進学予定だった早大関係者から『巨人にだけは行かないほうがいい』との声が出ています。というのも、巨人は08年に早大を中退した尾藤竜一(28)=11年に退団=を育成枠で獲得したのですが、巨人が入団させるために本人をそそのかして中退させたのではないかと、当時の應武監督が激怒したそうなんです。その直後、早大に出入りしていた巨人のスカウトマンは出禁になっていた」(球界関係者)
今季11年ぶりのBクラスにあえいだ球界の盟主は清宮獲りを回避したほうがいいのだろうか。
「いや、清宮君は面談で希望球団を一切口にしていませんが、番記者の間では、巨人とヤクルトが意中の球団だというのは有名です。なんでもヤクルト志望はアゼンとする動機で、友人にファンが多いからだそうです。もちろん、慣れ親しんだ神宮球場もベストでしょう。そして巨人ですが、本人は阪神ファンなのに、面談の際に議事録作成の書記係を務めていた母親が、息子を関西に送り出すのに難色を示していて、彼女の希望球団が巨人だと言われます」(前出・スポーツ紙デスク)
はたして“心の逆指名”は通るのか、当日のくじ運しだいである。
野球解説者の江本孟紀氏が予想する。
「誰が見てもスーパースターになれる逸材だけに、ぜひともプロ入りして活躍してもらいたい。指名は2~3減っても最低7~8球団はあるでしょう。ただし、本人はメジャー志向だけに5~6年でメジャーに挑戦できるかというのがプロ入りの条件になるはずです」
いずれにしても、清宮一色のドラフトになるのは間違いない。