パリ五輪の出場権を懸けて戦った「AFC U23アジアカップ カタール2024」の準決勝イラク戦を、元日本代表の城彰二氏が自身のYouTubeチャンネルで論評した。試合は2-0での快勝とあって、城氏の口は滑らかで、
「予選を勝ち抜くというのはなかなか難しいことを、よくわかっています。非常に苦しい状況、またターンオーバーを使いながら過密日程の中で戦ってきた選手たちは、本当にすごいなと思います」
とりわけ2アシストしたアンカーの藤田譲瑠チマを絶賛。1点目をこう振り返った。
「彼はいろんなところが見えている。細谷(真大)選手がディフェンスラインの裏に抜け出すタイミングで、浮き球のパスでスルーパスが狙える。パスの精度も完璧でした」
続けて2点目についても、
「大畑(歩夢)選手が左サイドで粘ってボールキープして、中に速いボールで藤田選手にパス。藤田選手はその速いボールをワンタッチで、柔らかくここにしかないっていうところに荒木(遼太郎)選手にパスをする。技術が高く視野が広いですし、この2点は藤田選手が中心になって奪ったと思います」
主将・藤田のプレーを高く評価したのだった。
U23の選手は今後、パリ五輪での躍進が求められるが、そこで収まらず、フル代表に食い込んで定着してほしいと、城氏は言う。
「藤田選手の中盤での視野の広さ、技術の高さは別格。代表でも見てみたい選手のひとり」
完璧な試合だったとはいえ、城氏はこんな注文も忘れない。
「追加点を奪えたチャンスがあったので、早く決めて試合を楽にしてほしかった」
パリ五輪でどんなプレーを見せてくれるのか。早くも楽しみである。
(鈴木誠)