世界王者のベルトを巻いた翌日に、王座返上と転級宣言。驚きの発言をしたボクシング新チャンピオンは、西田凌佑だ。5月4日にIBF世界バンタム級王座に挑戦すると、エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)を3ー0の判定で撃破。ところが一夜明けた会見で、減量苦を理由に、防衛戦を行わず階級を上げる考えを表明したのだった。
これに噛み付いたのが、元WBA世界ライトフライ級チャンピオンの具志堅用高氏である。自身のYouTubeチャンネル〈具志堅用高のネクストチャレンジ〉で、次のように苦言を呈した。
「階級を上げる前に、トーナメントやればいいかなって感じするんですよね。なんでそういうこと言っちゃうのかな。せっかくチャンピオンになったんだから」
5月6日にも世界タイトルマッチが行われ、「モンスター」井上尚弥の弟でWBA世界バンタム級王者の井上拓真が、3-0の判定勝利で初防衛。WBO世界バンタム級タイトルマッチは元K-I王者の挑戦者、武居由樹がジェーソン・モロニー(オーストラリア)を3-0の判定で破り、新王者(100人目の日本人世界王者)になった。WBC世界バンタム級王者には「ネクストモンスター」の呼び声が高い中谷潤人がおり、世界バンタム級4団体のベルトを日本人が分け合う形になっている。
「ボクシングファンはトーナメント企画したら、絶対に見ますね」
と期待を寄せる具志堅氏だが、西田のベルト返上以外にも、課題はある。井上拓真と武居は、ともに大橋ジム所属。トーナメントを勝ち上がれば、同門対決もありうる。大橋秀行会長がそれを承諾するかどうか。
井上尚弥と同じく、バンタム級で世界4団体のベルトを巻く日本人選手は、はたして現れるのか。
(所ひで/ユーチューブライター)