パ・リーグ4位の楽天イーグルスに、浮上の兆候が見られない。5月12日の西武戦では、今井達也に7回5安打2失点に抑えられて敗戦。最下位チームにひねられ、これで今井には今季3戦3敗、2021年10月から12連敗となった。
低迷の主要因は、底上げが滞り、昨季ゴッソリ抜けた穴を埋められず、戦力が整わないことにある。松井裕樹はポスティングでメジャーリーグに移籍し、炭谷銀仁朗は西武、西川遥輝はヤクルトに移籍した。塩見貴洋や銀次は引退し、安楽智大はスキャンダル退団してメキシコリーグにいる。
「選手が次々と流出しましたが、オフに目立った補強をしなかったフロントの責任は重いでしょう。監督や外国人を安い年俸で雇い、しのごうとしたシッペ返しを食らわされています。本拠地の有料入場者数は伸びず、ファンの熱は冷え切っています。『楽天ブランド』のイメージは大幅に悪化していますね」(仙台メディア関係者)
ゴタゴタも長びいている。パワーハラスメント行為をした安楽は自由契約となったが、当時の石井一久監督や上層部はほとんどお咎めナシで、球団の体質改善には至っていない。
「今年は開幕投手の早川隆久が4月19日の西武戦で5失点と打ち込まれた後、捕手の太田光を批判するコメントを出し、物議を醸しました。チーム内のガバナンスが機能していない証拠でしょう。ファームでは、登板機会が回ってこない田中将大が八方塞がりの状態に陥り、アンタッチャブル案件になっています」(スポーツ紙デスク)
火ダネは燻り続け、このままでは3年連続のBクラスに落ちついてしまいそうである。
(渡辺優)