パ・リーグで最下位争いを演じる楽天に、水面下での「ポスト石井一久」の動きが出ている。スポーツ紙遊軍記者が、現在のチーム状況を説明する。
「投手陣はそれなりに踏ん張っているのですが、とにかく打線がひどすぎる。ケガ人が多いこともありますが、チーム打率は5月14日終了時点で12球団最下位の2割1分6厘。日本ハムと最後まで最下位争いを繰り広げるでしょうね」
ペナント制覇のため、田中将大や浅村栄斗を高額年俸で残留させたが、両選手とも今のところ、全盛時とはほど遠い成績だ。メジャーで2016年に16本塁打し、通算130発の大砲フランコもわずか4本塁打と、期待外れといえる。
昨年12月4日に退任したとはいえ、それまでは石井監督が編成の責任者である、取締役GMも兼務していた。今季の編成上の失敗は、石井監督自らの責任によるものだ。球団OBも手厳しい。
「指導者経験がないのに、監督をやっているのは確かに大変だろう。だが本来は、フロントが見極めた選手をうまく使うのも、監督としての仕事。自分の価値観だけで選手を取ってきても、うまくいくはずがない」
石井監督が楽天内で確固たる地位を築いているのは、楽天の総帥・三木谷浩史会長の覚えがめでたいからだが、それも微妙になりつつある。スポーツ紙デスクが言う。
「三木谷会長は試合前に先発オーダーを監督に送ってくるほどで、金は出すが、口も出す。そろそろ我慢の限界に達しているはずです。成績が上がらなければ、今季限りで首をすげかえる可能性は十分にあるでしょう」
過去にも、豊富な資金力を持つ楽天の監督の座に魅力を感じ、売り込んできた球界OBは多いが、
「ウワサでは古田敦也氏も名乗りを上げたことがあったといいますが、立ち消えになったとされます。楽天がこのまま低迷すれば、自薦他薦が殺到するのは間違いない」(前出・遊軍記者)
12球団で最速のストーブリーグに突入である。
(阿部勝彦)