まさに「ゆりかごから墓場まで」とはこのことだろう。広島カープはこれまで、地元企業とコラボした様々なグッズを販売してきた。この5月には、福山市に本社を構える「青山商事」など、地元企業3社による「広島カープ応援用デニムパンツ」が発売されている。カープ名物の「スクワット応援」にも耐えられるとして、売れ行きは好調だとか。
そんな中、まさに「究極の一品」として感嘆の声が出ているのが、人生の締めくくりに使われる「棺」だ。
「自分らしく、最期までカープファンでありたい」
そんな熱烈ファンのために地元の棺メーカー「共栄」が製作したのは「カープコラボ棺」。何重にも重ね塗りされたカープレッドの美しい輝きと、鯉のぼりをモチーフに足元に向かって斜めになっているしなやかなフォルム。これまでの棺の概念を完全に覆す、画期的なものといえよう。
広島市の寺で行われた「入棺体験会」には、午前と午後の部を合わせて、およそ40人のカープファンが参加。人生で始めて棺に入ったという参加者からは「思ったよりも怖くなかった。感動した」という声が上がった。地元記者が語る。
「実はこの棺のオリジナルモデルが、昨年6月に亡くなったカープのレジェンド投手・北別府学さんの葬儀で使われました。葬儀の様子が地元メディアに取り上げられ、問い合わせが殺到したことで商品化されました。他にもカープ印の仏壇が発売されていますが、そのうち骨壺も誕生するかもしれませんね(笑)。グッズの中には『カープ坊や』のイラストがあしらわれた『出生届』もあり、まさに『ゆりかごから墓場まで』を地でいく、手厚いファンサービスといえるでしょう」
2022年にはソフトバンクが球団史上最高額のグッズ「ホークスオリジナル仏壇」を発売したが、あまりにも高額だったため、購入者は現れず。関係者は肩を落としたという。
その後、大のホークスファンだった亡き父のために購入したい、という人が現れ、地元では大きなニュースになった。
気になる売れ行きだが、広島ファンは地元愛が人一倍強いこともあり、カープレッド棺の購入を検討する人が続出する可能性は大である。
(ケン高田)