ブルージェイズの菊池雄星が、トレード候補として引く手あまただという。菊池は5月27日(現地時間)のタイガース戦(デトロイト)に先発し、今季3勝目を目指したが、3回を投げて8安打を浴び、今季ワーストの5失点でマウンドを下りた。
なんとか5敗目は免れたものの、チームは今季、ヤンキースが圧倒的な強さを誇るア・リーグ地区の最下位争いを演じており、ポストシーズン進出には早くも黄色信号がともっている。そのため、チームは来季以降に向けて、売り手市場に回る公算大だ。
メジャーリーグを取材するスポーツライターが語る。
「菊池は今季、勝ち星にはあまり恵まれていないわけですが、好投を続けているし、奪三振率も高い。貴重な左腕であり、ポストシーズン争いを演じる可能性が高いチームは、喉から手が出るほど欲しいでしょうね。ブルージェイズにしても、7月30日のトレード期限までに菊池との交換トレードで若い有望株の選手を2~3人獲得できれば、来季以降に向けての大きな補強になります」
代理人が「吸血鬼」の異名を持つスコット・ボラス氏ということも大きい。今季で総額3600万ドル(約56億円)の3年契約が終了し、オフにはFAになる。当然ながら、激しい銭闘になることは目に見えているのだ。
となれば、まさに今が売り時ということで、水面下で獲得に動きそうな球団が複数あるという。
「金満球団のメッツはポストシーズンに関係なく、欲しいでしょうね。今季、先発投手の柱に考えていた千賀滉大に復帰のメドが立っておらず、現時点では今季もポストシーズン進出が厳しくなりかかっている。同じニューヨークを本拠地にするヤンキースが好調なだけに、ファンは黙っていません。来季以降のことも考えて、菊池に白羽の矢を立てる可能性は十分にあります。もちろん興味を持っている球団は、他にもあると聞いています」(前出・スポーツライター)
菊池にも花巻東高の後輩・大谷翔平が望む「ヒリヒリする9月」が訪れるのかどうか。
(阿部勝彦)