北米大陸に生息するとされる、二足歩行の猿人系UMAといえば、「ビッグフット」「イエティ」である。だが、これらとは区別される猿人系UMAがいる。一見すると全身長い体毛に覆われた猿人のようではあるものの、前者と異なり尾があることが理由だ。
それが「デビルモンキー」なのだが、目撃談によれば、その体長は1.5メートルから1.8メートルと人間にほぼ近く、黒ないし赤黒い毛が全身にフサフサしている。顔には突き出した鼻と口があり、鋭い爪と牙を持つ。カンガルーに似た形の後ろ足で、5メートルから6メートルの距離をピョンピョン飛び跳ねながら移動する、という報告がある。長年、UMAを調査するジャーナリストが語る。
「デビルモンキーが最初に目撃されたのは、1934年のテネシー州サウス・ピッツバーグで、当時は脱走したカンガルーだろうと思われていました。ところが1959年になり、ヴァージニア州ソルトヴィルをドライブしていた夫妻の車に、いきなり森から飛び出してきた猿のような獣が体当たりする事件が起こった。夫妻の証言によれば、謎の生物は全身毛むくじゃらで猿を思わせるものの、顔は犬のようであり、カンガルーと同様の後ろ足があったのだと。その後もソルトヴィル周辺では同様の目撃情報が相次ぎ、さすがに単なるカンガルーの見間違いではない、との結論に達しました」
オハイオ州やケンタッキー州、ジョージア州でも「毛むくじゃら」「鼻と口が突き出した」「筋肉質の大きな2本の後ろ足」「ぴょんぴょん跳ねる」の条件を揃えた生物の目撃情報が続々と出た。ただ、どれも深夜で、車を走行中というシチュエーションだったことで、写真や映像に収められることはなかった。
そんな中、1996年にルイジアナ州のハイウェイを走行中の女性が、道端に横たわる大きな死骸を発見。それはヒヒに似た生き物で、女性は恐る恐る写真撮影。それでもその正体がなんであるかは、判明しなかったという。前出のジャーナリストは、
「当時、北米にはニホンザルがいなかったことから、1970年代に輸入されたニホンザルが逃げ出し野生化して、それが間違われたのではないか、との説が出ました。それなら尾があっても不思議ではない。ただ、カンガルーのような後ろ足を持っているとなると、話は別です。結局、正体についての結論を出すことは難しく、未確認動物であること以外、何もわかっていないままなのです」
犬、カンガルー、ニホンザル…見ようによってはいかようにも判断できる、このデビルモンキーについての「決定的証拠」出現が待たれる。
(ジョン・ドゥ)