右肩を痛めて負傷者リスト(IL)入りしている藤浪晋太郎が、いよいよ現役引退の瀬戸際に追い込まれている。
藤浪は今季、ニューヨーク・メッツと1年325万ドル(約5億円)で契約したが、オープン戦で結果が出ず、開幕から傘下の3Aシラキーズでプレーしていた。
だが、そこでも9試合に登板して0勝0敗、1ホールド、防御率14.09と悲惨な数字。メジャー昇格のメドは立っていなかった。その上、5月上旬にマイナーで7日間のIL入り、5月13日には形式上メジャーに昇格して、15日間のILに移行している。
メジャーリーグは40人の登録枠であるロースター管理が、日本とは違う。藤浪を40人枠に入れると同時にIL入りさせれば、ルール上、41人目の選手を加えることができる。藤浪はメジャー選手であってメジャー選手ではない、まさに宙ぶらりんに状態にあるのだ。メジャーリーグを取材するスポーツライターは、今後について次のように話す。
「メッツが1年契約の藤浪と、来季以降も契約延長する可能性は皆無に近いでしょうね。といって、いくら格安でも、マイナーですら通用せず、30歳になる投手を獲得する物好きなチームはなかなか出てこない」
となればアメリカでの挑戦を断念し、日本球界に復帰する選択肢が浮上するが、これまたすっかり落ちぶれた感がある藤浪に食指を動かすチームはあるのかどうか。
それ以上に、プライドの高い藤浪が自らの挑戦失敗を認めて、日本に戻るとは思えない。スポーツ紙メジャー担当が言うには、
「今の藤浪は以前の筒香のように、無所属になっても未練タラタラでアメリカに居座るしか、道はないのでは。その間に心が折れないか、という懸念は残りますね。となれば、現役を諦める可能性も出てきますが…」
高校時代は大谷翔平のライバルだったが、もはや埋めることのできない大きな差が開いてしまった。
(阿部勝彦)