5月11日に7日間のIL(負傷者リスト入り)したメッツ傘下3Aシラキュースの藤浪晋太郎に、不穏な噂が駆け巡っている。メジャーリーグを取材するスポーツライターが語る。
「故障でIL入りするのは、珍しい話ではありません。でも不思議なのは、その理由が明らかにされていないこと。7日間のIL入りなら、ハッキリ言って重傷ではないはず。それに、藤浪は現段階では、メジャーで戦力になっていない投手。隠す理由は見当たりません」
そのため、臆測が臆測を呼んでいるのだ。阪神時代に藤浪を取材してきたスポーツ紙遊軍記者は、
「まさかメンタル面が原因ではないでしょうね」
と不安を口にして、次のように続けた。
「3Aでも成績が残せず、すっかりやる気を失っている可能性が考えられます。大阪桐蔭時代からお山の大将でやってきただけに、精神的に打たれ弱い面がありますからね」
5月3日のロチェスター戦を最後にマウンドから遠ざかっている藤浪は、開幕から9試合に登板し、防御率14.09。7回2/3を投げて9三振を奪っているが、19四死球と、課題の制球力は全く解消されていない。
メジャー2年目の藤浪は昨オフ、オリオールズからFAになり、メッツと2月3日に1年335万ドル(約5億円)プラス出来高85万ドル(約1億3000万円)で合意したが、このままでは来季もメジャーでの契約を勝ち取れるかは不透明。それどころか、シーズン中に戦力外通告を受ける可能性もあり、不安な毎日を送っているのは間違いない。
「高校時代のライバル、大谷翔平は故障明けや水原一平問題があるにもかかわらず成績を残し、メンタルモンスターぶりを発揮しているのとは雲泥の差。藤浪の場合、ただでさえイップス疑惑があるのに、これ以上、メンタル面に影響が出ればどうなるか…」(前出・スポーツライター)
現段階では臆測の域を出ない話だが、早くチームに復帰して好投し、メジャー昇格を勝ち取ることを願うばかりだ。
(阿部勝彦)