メッツ傘下3Aシラキュースで開幕を迎えた藤浪晋太郎のメジャー昇格の道が、さらに遠ざかっている。
藤浪は現地時間の3月30日、ロチェスター戦に4番手として初登板した。先頭打者こそ打ち取ったが、その後は3四球を出して二死満塁の独り相撲。最終的には6番目の打者から見逃し三振を奪って無失点で切り抜けたが、相変わらずの制球難だった。メジャーリーグに詳しいスポーツライターはこの投球を、
「今のままならメジャー昇格どころか、さらに立場が悪くなりかねない」
と評し、次のように続けた。
「確かに3Aにも力のあるバッターは多く、簡単には抑えられない。3Aは打者有利ですからね。でも彼らに力の差を見せつけないと、上からはお呼びがかからない」
それどころか、開幕を2Aで迎えたパドレスの高祐錫(韓国から移籍)のように、さらに下でのプレーの可能性も皆無ではないという。前出のスポーツライターが、今後の動向を推察する。
「昨年の開幕当初も先発投手として結果を残せず、マイナーで鍛えてこい、という声があった。ところが契約条項の問題でマイナーには落とせず、中継ぎに配置転換されてなんとか格好がついたが、もう待ったなし。今回は投手有利といわれる2Aで再出発した方がいい、となるかもしれない」
藤浪とメッツの契約は1年。早期にメジャー昇格し、能力をアピールしなければ、3年目を迎えるのは難しい。藤浪を昔から知る在阪スポーツ紙記者は、
「阪神時代もイップス疑惑があったが、これだけ制球が定まらないということは、本当にイップスかもしれない。そうなると、メジャー昇格どころではない」
かつての甲子園優勝投手もいよいよ、あとがないところまで追い詰められつつある。
(阿部勝彦)