阪神は6月4日の楽天戦に延長10回を戦って敗れたが、深刻なのは主砲・大山悠輔が自ら2軍降格を申し出て了承されたことだろう。
この日の試合後までに、大山と面談の場を持った岡田彰布監督は浮かない表情で、
「5日からファームよ。本人から言うてきて、相当自信を失くしてるから。キレを戻さんと、そんなんお前、今のままじゃどう考えても打てないやんか。本人もどう打っていいか、わからんようになってるから」
このままでは佐藤輝明に続いて事実上、無期限でファーム調整を行う可能性さえ出てきている。
打率1割台の大山をめぐってはこれまでも、チーム内で処遇の意見が割れていた。球団OBが明かす。
「さっさと2軍に行かせて根本的な改善をした方がええ、って話もあった一方で、4番としての責任を1軍の試合で取らせないといかん、という考えも。両方が球団内で激突していたようや。昨シーズン、全試合で4番を打ったヤツを、監督も簡単に落とせんやろ。ただ、本人からの申し出を待っていたフシはあると思うで」
問題はいつ復調して再昇格させるかだろう。
「6月4日の試合を終わって、阪神は交流戦12球団最下位の1勝5敗と厳しい状況です。最短で再昇格といっても、そこでいきなり調子を取り戻すのは難しいと思う。現実的にはリーグ戦再開のタイミングになると思いますが、問題なのは『代役4番』の適任者がいないこと。暫定的に近本光司が充てられていますが、この先どうするか。ノイジーに打たせたところで怖さはないから、相手球団は楽でしょうね」(スポーツ紙デスク)
周囲が思っている以上に、事態は深刻なのだった。