阪神のドラフト1位はもはや呪われているのか。そのドラフト戦略が、球団内外でクローズアップされている。在阪スポーツ紙遊軍記者が現況を解説する。
「佐藤輝明に続いて大山悠輔も2軍落ち。とにかくドラフト1位で獲得した選手がまともに活躍していませんからね。確かにクジ運に恵まれない面はありますが、2015年オフのドラフト会議で高山俊を1位指名して以降、野手のドラ1で現在も1軍でプレーしているのは、近本光司と森下翔太の2人。投手は西純矢だけです。下位指名した投手陣はそれなりに活躍しているのに、不思議ですよ」
高山は退団し、2017年の1位だった馬場皐輔は現役ドラフトで巨人に移籍した。2021年の森木大智は開幕から2軍暮らしだ。昨年の下村海翔は2軍で1球も投げることなく、トミー・ジョン手術に踏み切っている。前出の遊軍記者は、
「原因は2つあります。まずはマスコミとタニマチがドラ1を特別扱いしすぎて、本人が勘違いしてしまうこと。もうひとつはあまり冒険しないドラフトで、簡単に獲得できる選手を1位指名する傾向があるためでしょう」
そのいい例が大山であり、遊軍記者が続けてドラフト当日を回想する。
「あの年は右の野手を補強するというテーマがあったものの、投手が豊作。阪神は、今は中日でプレーする柳裕也を指名できた。当時の大山なら2位か3位で十分だったでしょう。大山自身が1位指名に驚いたほどですから」
行く末を案じ、阪神の1位指名にビビるドラフト有力候補が出てくるかもしれない。
(阿部勝彦)