人気バラエティー番組の「他局移籍」が、テレビ業界に激震を走らせている。
問題の番組は、6月3日に放送された特番「巷のウワサ大検証! それって実際どうなの会」である。このタイトルを見て、「アレッ!?」と思った人は多いのではないか。そう、今春まで日本テレビ系列でレギュラー放送されていた「それって!?実際どうなの課」(中京テレビ制作)に酷似しているのだ。
なにしろ、タイトルの「どうなの会」が「どうなの課」を模倣しているだけでなく、生瀬勝久、森三中・大島美幸、チャンカワイといったキャストまでがそっくりそのまま。「米と小麦はどっちが太るのか」など日常生活の疑問を解き明かす「ウワサ検証系」の番組テーマも完全に「どうなの課」と同じである。
番組冒頭で趣旨を説明したMCの生瀬は、
「ここまでご覧になって、もうザワついていると思います」
「どうなの課」との類似を隠すどころか、積極的にアピールしたのだった。番組制作関係者が背景を解説する。
「この番組は『どうなの課』を手掛けたプロデューサーが、中京テレビから独立してTBSに持ち込んだ企画。さらに『どうなの課』と同じ制作会社に依頼し、スタッフやキャストまで可能な限り同じ面々を揃えた。番組内容が酷似するのは当然なんです」
これに納得がいかないのが、日本テレビだ。6月6日、この件について「デイリー新潮」が「激怒した日テレと甘かった中京テレビ」と題して報道。日本テレビ内部で問題視されているとして、制作会社やTBSとの間に遺恨が残る可能性を指摘している。
もっとも、前出の番組制作関係者は「禁断の移籍」について、
「これまでのテレビ業界になかった新しい動き」
として、好意的に受け止めている。
「日本テレビはプライドを傷つけられたかもしれませんが、何かの規約に違反しているわけでもない。今や『TVer』で民放各局の番組が見られるように、チャンネルの垣根にとらわれるのは古いといえます。なにより『どうなの課』ファンの視聴者が喜んでいるのが全てでしょう」(前出・番組制作関係者)
日本テレビの「リベンジ」はあるか――。
(川瀬大輔)