車体が黄色であることから「ドクターイエロー」と呼ばれる「新幹線電気軌道総合試験車923形0番代」が車体の老朽化を理由に、来年1月をもって引退すると、JR東海が発表した。
ドクターイエローはJR東海とJR西日本が1編成ずつ所有し、東海道新幹線と山陽新幹線の路線や設備の点検を行っている。JR西日本のドクターイエローは、2027年以降に引退する。
運行時間が明らかにされていないことから「見たら幸せになれる」「幸運を呼ぶ」として、鉄道ファンだけでなく一般の人にも人気の車両だ。
長年の活躍をねぎらい、引退までに車両基地での撮影会や、体験乗車といったイベントを開催し、関連グッズの販売を行うと発表された。
どうしてもドクターイエローを見たい人にとっては、これがチャンスだと、鉄道ライターは言う。
「ドクターイエローの運行情報は公開されていないため、狙って撮影したり、見ることはできません。SNSを常にチェックして、目撃情報をもとに駆けつけるしかないんです。ですが、体験乗車イベントの運行日と発着時間は明らかになるはず。まさに最後のチャンスです」
現在のドクターイエローに代わる新たな車両の登場が期待されているが、後継車両は残念ながら登場しない。JR東海によると、引退後の検査には、2027年からN700Sに導入される営業車検測機能を使う予定だという。ドクターイエローの消滅は残念だが、新幹線電気軌道総合試験車が消えてしまうわけではない。
「JR東日本は『新幹線E926形電車』という新幹線電気軌道総合試験車を所有しています。車体は白をベースに赤いラインで、黄色ではありませんが、鉄道ファンの人気は高い。JR東日本の新幹線と北海道新幹線の検査を行っていますので、運がよければここで見られるかもしれません」(前出・鉄道ライター)
まずは撮影会や体験乗車といったイベントの発表を待ちたい。
(海野久泰)