現役時代は歴代3位となるJ1通算161得点を記録した元日本代表のFW佐藤寿人氏が、4月末に写真週刊誌「FRIDAY」に年下女性との不倫疑惑をスッパ抜かれたのは、まだ記憶に新しいところだ。
スクープ後、しばらく沈黙を守っていた佐藤氏は、6月2日に自身のインスタグラムで「この度は私事でお騒がせいたしまして申し訳ありませんでした」と謝罪し、今後はサッカーと真摯に向き合うことを報告していた。
そんなお騒がせの「点取り屋」が、久しぶりに公の場に姿を現した。場所は、日本サッカー協会が開催した「能登半島地震 サッカーファミリー復興支援チャリティーオークション」の公式ホームページだった。
能登半島地震復興支援プロジェクトの一環で行われ、第1弾「日本代表」、第2弾「なでしこジャパン」、第3弾は「U23日本代表」の選手が、サイン入りユニフォームをオークションに提供した。売上金は復興支援金として、被災地域のサッカー施設の設備改修支援などにあてられるという。
そして、6月10日~16日には第4弾となる「日本代表OB」のオークションが実施された。宮本恒靖、岡野雅行、加地亮、駒野友一、石川直宏、鈴木啓太、坪井慶介、福西崇史、播戸竜二、南雄太、田中隼磨といった豪華メンバーが集まる中、サプライズで〝メンバー入り〟したのだ。
ここで実況中継といこう。
佐藤氏の直筆サイン入りスパイクがオークションに出品されて、いざキックオフ。1円から始まり、11円、21円、31円、41円と、自陣でのショートパスのような様子見の入札が続く。と、そこからいきなりペースアップ。ロングボールで2010円に金額が跳ね上がると、バイタルエリアは急にあわただしくなり、9184円、9284円、1万250円と、ついに大台を突破した。
オークション最終日の16日まで激しい攻防が繰り広げられ、最後は5万5000円が〝決勝点〟になったのだ。
「不倫報道の余波で、最悪の場合は入札がないことも想定されました。しかしフタを開けてみれば、落札金額の1位はチャリティーマッチのユニフォームが11万2100円で落札された宮本氏、2位は04年の日本代表アウェーユニフォームが6万5258円だった鈴木氏、そして3位に岡野氏と同じ金額で並んだ佐藤氏が堂々ランクインしました」(サッカー関係者)
もちろんチャリティーオークションは金額や順位を争うものではないが、苦境の最中でも、佐藤氏は現役時代さながらの高い決定力と人気の強さを証明したのだ。
これが本格「復帰」のきっかけとなるのか。有名人の不倫に世間の目は厳しいが、今回のオークションの入札件数は64件を記録した。まだまだファンは見捨ててはいなかったということか。
(風吹啓太)