スペイン検察当局から八百長疑惑で告発されたサッカー日本代表のアギーレ監督(56)。昨年暮れの釈明会見では疑惑を完全否定。が、スッキリ解決には程遠く、協会内部からは「不穏な声」も漏れてきて‥‥。
コトの発端は、11年5月のスペイン1部リーグの最終戦。アギーレ監督率いるサラゴサが、すでに残留決定のレバンテに勝ち、降格圏を辛くも脱した。告発状では試合の数日前にサラゴサの経理担当部長の指示で、アギーレ監督や選手の口座に計96万5000ユーロ(約1億4000万円)が振り込まれ、その後引き出されたというのだ。スポーツ紙デスクが解説する。
「銀行の資料などでアギーレ監督の口座に計8万5000ユーロ(約1230万円)が入金され、その後引き出されたことは確認済み。この金がレバンテ側に渡ったと見られている」
会見では「弁護士のアドバイスで答えられない」と、金の流れについての説明を一切せず、「汚点はまったくない。信じてほしい」の一点張りだった。
「現時点では告発が裁判所に受理されるか、受理後に起訴されるかなど、他国が舞台とはいえ今後の展開が不明な点だらけ。しかもアギーレ監督は『有罪を証明されるまでは何人も無罪』と推定無罪を訴え、『それまで仕事をする権利はある』と強気一辺倒。それで協会側は告発即解雇には踏み切れなかった」(スポーツ紙デスク)
とはいえ、やはり気になるのは、アジア杯オーストラリア大会(1月31日決勝戦)への影響だ。アギーレ監督番記者が話す。
「仮に裁判所の出頭要請があっても呼ばれるのは仕事のない時期だそうで、本人も『代表監督の仕事への影響はない。100%保証する』と自信満々。18年のW杯ロシア大会まで指揮を執るつもりでいますね」
ただ、すでに疑惑は代表チームの士気をガタガタに落とし始めている。豪州入りしているスポーツ紙記者はこう憂うばかり。
「現地国営放送がいきなり空港でアギーレ監督に八百長問題を直撃したこともあり、選手へのかん口令が徹底され、代表チームからはピリピリしたムードが伝わってきます。推定4億円以上の高額違約金がネックなのか、監督解任に慎重な姿勢だった協会内からも『アジア杯でV逸すれば、解任の理由になる』なんて発言まで聞かれる始末です」
サッカーライターの渡辺達也氏が言う。
「アギーレ監督が『指揮を執ることに影響はない』と言っても、開催国キャスターから直撃され、選手が自由に発言できない時点で十分支障を来してます。対韓国戦ともなれば厳しい揺さぶりも予想できる。6月にW杯予選も始まるだけに、大仁邦弥会長の『早期決断』が待たれます」
いよいよ「解任へのカウントダウン」が始まる──。