欧州では「ユーロ2016」が、南米・北中米では「コパ・アメリカ・センテナリオ」が開催され、今、世界各地で熱い戦いが繰り広げられている。そんな中、日本人には残念なニュースがコパ・アメリカから伝わってきた。ブラジル代表を率いていたドゥンガ監督が成績不振を理由に解任されたのである。
ドゥンガといえば、ブラジル代表のキャプテンとして華々しい成績を残し、日本でもジュビロ磐田でプレーし「鬼軍曹」と呼ばれていたことを覚えている人も多いだろう。
「ドゥンガは1999年に現役を引退した後、2006年から2010年にかけてブラジル代表監督を務めていました。ただ、チーム作りはうまくいかず、就任早々からダメ出しをされる始末。なんとか南アW杯まで持ちこたえたものの準々決勝で敗退。解任されました。この時、ドゥンガは相当ツラい思いをしたと聞いています。それなのに2014年から2度目のブラジル代表監督を引き受けてしまいました」(スポーツ紙記者)
そして今回の第二次政権、まさかの予選リーグ敗退を喫し、あっけなく解任となった。なぜ2度もブラジル代表監督を引き受け、2度も失敗したのか? いったいドゥンガは何を考えているのかと世界中が首を捻っている。
「たぶん何も考えていないと思います(笑)。以前、彼の半生を記事にするためにインタビューしたことがあるのですが、何を質問しても適当に答え、あげくの果てには『俺の人生ならだいたい知ってるだろ。適当に書いておけ』と言うのです。それの何がいけないのか? という様子でした。悪気があるのではなく、細かいことは気にしないタイプなんだと思います」(サッカーライター)
さすがラテン気質と言いたくなるようなエピソードは他にもある。
ブラジルW杯が終了してしばらくのち、アルシンドや呂比須、ドゥンガといったかつて日本でプレーした選手たちと日本サッカーの関係者がブラジルで懇親会を行った。その席でドゥンガがザッケローニの次の監督が誰になったのか尋ね、日本の関係者がアギーレだと答えると、ドゥンガは一言「誰だそれは?」と言ったという。
「確かにアギーレは世界的に知られる超有名監督というわけではありません。しかし、ブラジル代表監督をしている人がアギーレを知らないのは問題でしょう。情報収集は監督の大事な仕事の一つですから。ちなみにジーコもアギーレを知らなかったそうです。ジーコもドゥンガも監督としていい成績は残せていないのを思い出して笑ってしまいました」(前出・サッカーライター)
かつて「鬼軍曹」として恐れられた姿など想像もできないほどのノーテンキぶり。ドゥンガに再び栄光の日がやって来ることはあるのだろうか。