歌手の高橋洋子が、大ヒットしたテレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の主題歌「残酷な天使のテーゼ」のカラオケ印税に関する、意外すぎる真実について語った。
それは6月20日の「ぽかぽか」(フジテレビ系)でのことだった。ゲスト出演した高橋は、視聴者からの「一生印税で暮らせるっぽい」という質問に、ありえないという反応で「×」の札を上げたのだ。
番組出演者たちはむしろ意外に感じたようだが、高橋は「声を大にして言いたい」と前置きすると、カラオケ印税のシステムについて説明を始めた。
大ヒットした1995年の「残酷な天使のテーゼ」は、カラオケランキングで30年近く常に上位にランクされている有名曲だ。だが、高橋はこう問いかけた。「よーく考えてみてください。洋子の歌はカラオケで流れますか? 流れませんか?」と。
確かに、カラオケ自体では「歌」は流れない。すると、高橋はこう言い切ったのだ。「ということで、私はカラオケの印税はゼロ円でございます」と。30年もの間、大勢に歌われた大ヒット曲で、本家のシンガー・高橋は1円の報酬すら受け取っていなかったのだ。
音楽ライターが話す。
「そうなんです。『残酷な~』のカラオケ印税は、作詞家の及川眠子氏や作曲家の佐藤英敏氏にいくわけです。よくカラオケ関連の話題で、THE虎舞竜の高橋ジョージがヒット曲『ロード』で、ゴールデンボンバーの鬼龍院翔らが『女々しくて』で、それぞれカラオケ印税でウハウハだという話をします。でも、彼らは作詞作曲もしているシンガーソングライターですからね。実は曲を作っていない歌手には、カラオケ印税は入らない仕組みなのです」
CDや配信の売り上げからは歌唱印税が入るという高橋だが、世間で想像しているほどの額ではなさそうだ。高橋は「カラオケで歌われて嬉しいけど…勘違いはやめて!」と訴えていたが、CD売り上げが落ちている近年、やはり歌手はライブで稼ぐしかないということか。
高橋は、6月19日にアニメ音楽を専門とするオーケストラ「池袋アニメーションフィルハーモニー」の「第一回演奏会」への出演辞退を発表したばかり。理由は、チラシに生成AIが使われていたこと。この運営の姿勢を問題視したわけだが、カラオケ印税の事実を聞く限り、苦渋の決断だったに違いない。
(石見剣)