前代未聞の「立候補者56人」で、掲示板に選挙ポスターを貼る枠が不足するという事態に陥ったのは、7月7日投開票「七夕決戦」の東京都知事選である。しかも「小池百合子VS蓮舫」のガチンコ激突をヨソに、「掲示板ジャック」騒動まで起きているのだから…。
というのも、政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首が「ポスター掲示板をジャックせよ」なる作戦を考案し、実行に移している現実があるからで、これは規定の条件をパスすれば独自のポスターを掲示できる、というルールを利用したもの。
NHK党は24人の候補者を「擁立」しているが、立花氏によれば、相応の金額の寄付者は都内の掲示板約1万4000カ所のうち1カ所を選び、最大で党候補者の人数分である24枚のポスターを貼ることができる、としている。
この企画に賛同したのが、美女キックボクサーのぱんちゃん瑠奈だった。彼女は6月20日、自身のYouTubeチャンネル〈ぱんチャンネル_ぱんちゃん璃奈〉で、こう言っている。
〈ジャックすることに成功しました。東京の各地、新宿であったり、いろんな地域なんですけど、約5000から6000枚、ぱんちゃんがポスターとして貼られることになりました〉
ちなみに彼女は、都知事選には立候補していない。
〈普通でしたら、選挙の方が載るところなんですけれども、私が約3週間ハイジャックしてしまいます〉
ハイジャックではないが、まさに無関係の人物の単なるアピールポスターが都知事選の掲示板に大量に貼られるという、モラル無視の行為。法の抜け穴を利用したものとはいえ、彼女には「那須川天心VS武尊」のサイン入りポスターを偽造し、ネットオークションで販売した詐欺容疑で逮捕されたことがあるため、「せっかくミスを取り戻そうと格闘技を頑張ってると思ってたのに、ムダに注目を浴びようとして、二度と応援したくない」という格闘技ファンの拒否反応が出るのもやむなし。
ぱんちゃんはまさにこのタイミングで、とあるYouTubeチャンネルに登場し、
「日本でトップに立つことはそう難しいことではない。今までに類を見ない選手になりたいなら、そこではなくて、世界でトップに立つことだったりとか、今までにない注目をしてもらうとか、そっちの方なのかなと思ってます」
と語っている。
「今までにない注目」が、この「ポスター掲示板ジャック」だとすれば、とんだはき違えと言うしかない。
(所ひで/ユーチューブライター)