政治

高齢ドライバー事故のオンパレード…橋下徹と猪瀬直樹「免許返納論」でガチンコ場外乱闘!

 たびたび報道される、高齢ドライバーによる交通事故。それもそのはずで、2018年とややデータは古いものの、75歳以上、80歳以上の高齢ドライバーの免許保有率は10年前と比較すると、1.9倍になっているというから驚きだ。元官僚で上級国民と揶揄された飯塚幸三受刑者が、12人の死傷者を出す「池袋母子殺傷事故」を起こした2019年には、事故の痛ましさから免許を返納する高齢ドライバーが一時的に増えたが、高齢者人口がそれ以上のペースで増えているため、焼け石に水でしかない。

 日本国内の年齢別自動車免許保有者を見ると、すでに50代以上の免許保有者が過半数、65歳以上が4分の1超を占めている。警視庁の調べでは、高齢ドライバーが起こした事故は、死亡事故につながるケースが多いという。しかも亡くなっているのは、高齢ドライバー本人ではない。交通ルールを守り、輝かしい未来があったはずの子供や若者だ。

 この現状に異を唱えたのが、弁護士の橋下徹氏だった。6月19日に出演した「旬感LIVE とれたてっ!」(関西テレビ)で「75歳免許返納義務化」の持論を展開したのだ。

「年齢については合理的な理由がないから、政治が線を引かなければならない」

 と前置きした上で、

「一応、後期高齢者医療制度の開始時点が75歳なので、いったん免許返納を義務化しておいて。ただ、いろいろな技術があるので、サポートカーを条件として付けて、年齢をもうちょっと伸ばすとか」

 そして自身の子供を送迎してくれた実母に、60代前半で免許を自主返納させたエピソードを披露したのだった。

 この後期高齢者の年齢区分の目安になっているのは、介護保険制度が議論されていた1990年代の平均寿命。1990年の男性の平均寿命は75.92歳だった。今でこそ生命保険会社がCMで「人生100年時代」をアピールしているが、平成の高齢者は75歳そこそこで亡くなっていたのである。

 表現は悪いが、平成の世なら棺桶に入っている世代が、令和では車のハンドルを握っている。当然、運転ミスだけでなく、乗車中に突然死や急病になるリスクは高い。高齢者の運転免許には「オートマ限定免許」のごとき、「自動運転制御装置 限定」という議論は必要だろう。

 橋下氏の発言に異を唱えたのが、元東京都知事で参院議員の猪瀬直樹氏だ。公式Xで

〈これは考え方を変えたほうがよい。アクセルとブレーキを踏み間違えても事故が起きない仕組みにする、追突する寸前で自動ブレーキがかかる、そういう仕様を全車に義務付けするなどメーカー側が責を負うべき問題です〉

 と高齢者無罪、交通事故は自動車メーカーに責任があるとしたのだ。ちなみに猪瀬氏は2年前から「高齢者がアクセルとブレーキを踏み間違えても事故を起こさない車を」と訴えている。

 思えば1999年の都知事選で、石原慎太郎氏は都内の排ガス規制を公約に掲げて当選。翌年、国に先行する形でディーゼル車排ガス規制を盛り込む条例を制定した。石原都政の手腕を見ていた猪瀬氏が徳洲会からの政治献金問題で都知事を退任しなければ、自動車業界という民間企業を圧迫、暴走老人無罪条例でも作っていたのかと思うと、ゾッとする。

 ちなみに猪瀬氏が献金を受け取っていた医療法人徳洲会は、101歳の高齢者に診療報酬500万円もする心臓手術をするなど、高齢者への過剰医療が問題視されている。年金生活者であれば、心臓手術の診療報酬500万円のうち3万円を自己負担、残り497万円は我々が支払っている国民保険料、社会保険料と住民税で補填されている。

 民業圧迫をさらりと言いのけ、医療法人からの献金を恥とも思わぬ猪瀬氏には、社会保険料負担と増税で日々の生活もままならず、結婚や育児を諦めている都民の惨状など、まるで見えていないらしい。

 この元知事2人の場外バトル、日本維新の会が提言する「ライドシェア事業」推しで話がうまくまとまり、都知事選では存在感が薄い「維新の会アピール合戦」に見えなくもない。

 公共交通機関やライドシェア以外にも、免許を返納した高齢者の交通手段はある。スクーターに似ている「シニアカー」や「電動車椅子」だ。

 街中で見かける電動車椅子は、歩行困難などの一定条件を満たせば、介護保険を使い、月額2000円から3000円のレンタル料で借りることができる。介護保険の援助を受けられなくても、高齢ドライバーによる事故を防ぐために、レンタルでも購入でも助成金制度を設けている自治体がある。試乗できる病院や観光地も増えてきている。

 交通事故リスクだけでなく、年金生活で苦しいという高齢者は、車にかかるランニングコストを一度、見直してはどうだろうか。

(那須優子)

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