テリー テレビCMだけでなく、今はドラマでも武田さんの活躍を見られるんでしょう。
武田 放送中の「ワカコ酒」(BSジャパン)というドラマで、主役を務めさせていただいています。
テリー どういう話なの?
武田 ワカコという主人公が、女のひとり酒をすごく楽しむ人間で、いつも仕事終わりにフラッと赤ちょうちんに入っていくんですね。そこでおいしいお酒や肴を食べながら、周りにいる方々を眺めて、今日はこういうことがあったな、と思ったり。
テリー ドラマの中にアクション演技はあるの?
武田 それがまったくないんです。セリフもほとんどなくて、心の声で進むというか。
テリー ああ、じゃあ「孤独のグルメ」っぽいんだ。
武田 そうです。原作が漫画というところも同じですね。「ワカコ酒」は、女性が主役の「孤独のグルメ」お酒バージョンというか。観たあとは、お酒が必ず飲みたくなると思います。
テリー 武田さん自身は、お酒はイケる口なの?
武田 ほとんど飲まなかったんですけど、この作品が決まってからお酒を飲むようになって、ものすごくハマってしまって(笑)。最近は本当にひとり酒をするようになりました。
テリー 撮影中は飲まないんでしょう。
武田 それが飲んでるんです、本番も。
テリー エッ、実際に飲んでるの!?
武田 監督が「飲みましょう」って(笑)。赤くなって、酔ってるリアルなところを撮りたいということで。
テリー お酒を飲むとどうなるの?
武田 ふだんは眠くなります。
テリー 色っぽくならないの?
武田 絶対にならないですね。「色っぽい」は、「武田梨奈」からたぶんいちばんかけ離れてる要素なんです。
テリー そこ、大問題だぞ。世界に羽ばたいていくには色気がないと。
武田 そうなんですよ。実際に去年、海外作品である役の候補にあがって、監督さんに資料映像を送ったら「アクションもいい、お芝居もいい。ただ、色気がない」って言われて、ダメになったことが‥‥。
テリー やっぱり。男の気持ちとしては、強い武田梨奈はもちろん好きだけど、「武田梨奈の弱いところ」も見たいと思うんだよ。
武田 そうなんですか。
テリー 「チャーリーズ・エンジェル」っていう映画に出演している、中国系アメリカ人のルーシー・リューも、セクシーで女らしいから、戦う姿が格好いい。落差が大事なんだよ。
武田 どうしましょう、色気を出すには‥‥。
テリー 恋愛は?
武田 経験がないんです。アクションの師匠たちにも、20歳までは恋愛禁止って言われていたので。
テリー でもかっこいいと思う男性はいるでしょう。芸能人で言うと、どういうタイプが好き?
武田 武田鉄矢さん。
テリー そうきたか(笑)。武田さんは確かにいいけど、優しさの固まりというか、安全パイだからな。だって、武田さんは梨奈ちゃんを押し倒さないだろ。
武田 「俺、イケメンです」みたいな人が本当にダメなんです。武田さんは鼻水を垂らして泣いたりとか、人間っぽいところがすごくかっこいい。私、髪形とか気にしてる男性を見ると、殴りたくなってしまう(笑)。
テリー ハハハ。でも恋をすれば、女の子っぽい部分も出てくるんじゃない?
武田 たぶん本人の前では、女子要素は出ないと思います。「どうしよう、どうしよう」って心の中でテンパっていても、いざ本人の前では「別に‥‥」みたいな感じになる気がします。
テリー 田舎の高校生みたいなこと言ってるなあ。
武田 中学男子みたいな感覚かもしれませんね。
テリー バレンタインにチョコレートを贈ったこととかないの?
武田 あります。中学生の時に、好きな男子に手作りのチョコレートを。
テリー 偉いじゃん。
武田 でもその時、チョコレートをブン投げたんです。
テリー へ?
武田 冗談っぽく「あげるよ」って、相手に向かって投げちゃった。
テリー もー。
武田 我ながら「かわいくないな」って思います。
テリー いやいや、そういう不器用なところがかわいいとは思うけど。
武田 う~ん、そうだといいんですけど。ありがとうございます。