両チームが頭ひとつ抜けられない理由として、打線のふがいなさが目につく。それでも巨人の第89代4番に鎮座する、岡本和真(27)は持ち前の「鈍感力」で浮上の兆しをつかんでいる。
「ポジションをたらい回しにされていた昨季とは異なり、今季はファーストに固定されているため、打撃の安定感も増すと思われました。ところが相変わらず好不調の波が激しく、得点圏打率も2割5分5厘。一方、そんな状況でメディアやファンにあーだこーだ言われても馬耳東風を貫けるのが岡本の強み。『いい時もあれば悪い時もあるやろ?』と言わんばかりに、4番としてのプレッシャーをまったく背負い込んでいないんです。6年連続30本塁打を記録しているのもうなずけます」(球団関係者)
交流戦最終カードの日本ハム戦でも、2試合連続ホームランと復活の狼煙を上げた。そんな主砲もキャプテン就任2年目。グラウンド内でナインを鼓舞する場面が増えたという。
「どちらかといえば〝陰キャ〟で何事にも我関せずなタイプ。それでも立場が人を変えたようで、意外なキャプテンシーを発揮している。前任の坂本勇人(35)が『何で、できねぇんだよ!馬鹿野郎!』という、半ばパワハラまがいの檄を飛ばしていたのに対して『ちゃんとやっていこうぜ!』とソフト路線でチームを引っ張っている。今のところ、令和の時代に適したキャプテン像を体現していますね」(スポーツ紙デスク)
そこへ来ると、打線の上がり目が見えないのが阪神だ。昨季日本一を戴冠した重量打線は見る影もなくなった。
「とにかく長打が出ません。昨季のチーム長打率が3割5分2厘なのに対して、今季は2割9分8厘まで急降下。その最たる原因は中軸の大山悠輔(29)と佐藤輝明(25)の2人です。いずれも打率は2割前後に停滞しています」
とりわけ、危機感が薄いのはサトテルの方だ。在阪メディア関係者が語る。
「『全盛期は入団1年目の5月』と揶揄されるぐらい進歩が見られない。最近は、遠征先でタニマチ筋に連れ出される機会も増えているらしいな。ドラフト同期の中野拓夢(27)や伊藤将司(28)も一緒に夜遅くまで飲み歩いているみたいやで」(スポーツ紙デスク)
サトテルは5月15日に出場選手登録を抹消されるも、6月7日に再昇格した。とはいえ、打線の起爆剤には成りえていない。
「結局、大山が抹消された代わりに昇格させただけやん。ノイジー(29)もミエセス(28)も4番を打つには明らかな力不足やからな。どうも、佐藤本人も『まだ調子戻ってないんやけど‥‥』と不貞腐れていたらしいわ。ただし、交流戦最終カードのソフトバンク戦に間に合ったのは、うれしい誤算なんやろうな。中洲に遊びに行くのをかなり楽しみにしとったみたいやし」(在阪メディア関係者)
同じ「能天気」でも意味合いは千差万別。主砲対決は、4番を守り続ける鈍感力の差で巨人の勝利だ。