熱血対決も後半戦に突入。僅差を守りきるために鉄壁のリリーフを投入したいが、阪神のブルペンからは負のオーラが放たれている。
「数字だけ見ると安定感がありますが、全体的に昨季の勤続疲労を隠せずにいます。特に引き続き守護神を務める岩崎優(33)は、前半戦の途中にもかかわらず疲労困憊の様子。すでに3敗を喫していますが、同じく3敗している新加入のゲラ(28)とのダブルストッパー体制をシーズン序盤に敷いていたのがマズかった。リリーフといえども、あらかじめポジションが定められないと心身の調整はうまくいきません。抑えの重圧と疲労が相まって、最近は岩崎の口数も減ってしまったようです」(スポーツ紙デスク)
対して盤石の反撃態勢が整いつつあるのが巨人である。クローザーの大勢(24)が1カ月半ぶりにマウンドに帰ってきたのだ。
「6月19日、ファームでセガサミー戦に登板しました。相手は格下の社会人チームとはいえ、常時150キロ超の重い球質のストレートで圧倒。昨年のWBCに端を発したコンディション不良も快方に向かっているようです」(スポーツ紙デスク)
これまで守護神不在の間、穴を埋めていたのがバルドナード(31)だ。
「あくまで大勢が復帰するまでの暫定措置ながら、大崩れしない投球で抑えとしての適性を見せてくれました。昨季途中に加入するや、最速158キロのストレートと多彩な変化球で勝利の方程式の一角を担うようになった実力は安定感を増している。6月11日の楽天戦で2点リードを逆転される大失態を犯しましたが、『楽天モバイルパーク』のマウンドが合わなかったことと、その日の主審のストライクゾーンが極端に狭かったことを原因とし、首脳陣は大事と捉えていません。それだけ信頼を勝ち取っています」(球団関係者)
2枚看板をそろえ、昨季12球団ワーストの救援防御率を叩き出したリリーフ陣は、どうやらチームのウイークポイントから脱却しつつあるようだ。結果、その先に「金の卵」の配置換えプランも見えてきた。
「新人の西舘勇陽(22)を先発ローテに回すことが可能になった。〝超速クイック〟とも呼ばれる独特のフォームや球種の多さは明らかに先発向きで、選手として伸び盛りの時期をリリーフとして過ごすのはもったいないとの判断でしょう。昨オフに加入した泉圭輔(27)やケラー(31)も機能していることで、ようやく未来を見据えた一手に着手する余裕が出てきました」(スポーツ紙デスク)
現段階での救援防御率は阪神の方が上だ。しかし、より試合数の多いシーズン後半に向けては、逆襲の好転材料が出ている巨人に分がありそうだ。