「セブン」の放送は67年10月からの1年間。その後、ひし美は「プレイガール」(東京12チャンネル)、「好色元禄㊙物語」(東映)など数々のドラマ・映画作品に出演し、多くのファンのハートを鷲づかみにした。
─アンヌ隊員卒業以後は、大胆に一糸纏わぬ姿を披露する色香な役柄にも挑戦されました。特に印象的な1作といえば何になるでしょう?
ひし美 「アンヌとゆり子」の中でも書いていますが、東映の「好色元禄㊙物語」かな。「映画ファンのための映画まつり」で主演女優賞をいただいて、私の誇りと言ってもいい映画です。
─少年時代、誰しも入隊したかったのが「ウルトラ警備隊」でした。グレーに白地ラインのウルトラ警備隊の隊員服が鮮烈に脳裏に焼き付く「アンヌ隊員」は、今なお関連アイテムが続々発売されています。ひし美さんから見て、アンヌ隊員というキャラクターにはどんな魅力があると思われますか。
ひし美 アンヌは医療もできて、私とまったく違う才女なのですが、私が素で演じたからカタくならずに、親しみがあるお姉さんみたいなキャラクターになったのがよかったのかもしれません。
─人間同士の敵対により人類絶滅を企てるメトロン星人とセブンがちゃぶ台を挟んで対話する「狙われた街」、人類よりも前に地球に先住民がいたとする「ノンマルトの使者」など、他のウルトラシリーズとは一線を画す斬新で奥深いエピソードこそ「セブン」の魅力の1つでした。現在の目線で「セブン」を観て改めて感心したこと、驚くことなどはありましたか?
ひし美 大きな地震や異常気象があったり、コロナ禍を体験したりして改めて思ったのは、金城哲夫さん、佐々木守さんなどの脚本家の方々が、地球の環境など未来へ残すメッセージも込めていらしたのではないかと、今観て感じることがあります。
─最後に喜寿を迎えられた現在の心境を教えてください。
ひし美 還暦のお祝いをしていただいたのが17年も前になるんですね。改めて人生の短さ、時の流れの速さを実感しています。長寿のお祝いとしては、次は傘寿(80歳)を健康で迎えられるようにしたいですが、これまで少し突っ走りすぎたようにも思うので、これからは1日をゆっくりと過ごし、人生を謳歌できればと思っています。
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