元サッカー日本代表・前園真聖氏のYouTubeチャンネルに遠藤彰弘氏が出演し、アトランタ五輪の裏話を28年後になって初めて明らかにした。
遠藤氏は遠藤保仁の兄で、横浜F・マリノスで活躍。アトランタ五輪では背番号10を背負い、ブラジル戦にスタメンで出場した。しかし遠藤氏は、アキレス腱のケガを隠してこの試合に出場していたと告白した。
「ダマで。どうしても試合に出たくて。だましてだまして、何も言わずに。トレーナーぐらいは知っていたのかもしれないけど、西野さんとかにはまったく誰にも言わず、バレないように、自分なりにはやってた」
ブラジル戦には痛み止めの注射を打って出場。ドクターからは「試合に出ればアキレス腱がどうなるかわからない」と忠告を受けたが、どうしても出たかったため、注射を打ったと明かしたのである。
このことを鹿児島実業高校の2年先輩で、アトランタ五輪でキャプテンを務めた前園氏も「初めて知った」として、驚きの表情を見せたのである。
そこまでしてブラジル戦に出たかった理由を、遠藤氏はこう説明した。
「オリンピックっていう舞台とブラジル。これで引退してもいいかなと、少しは思っていた。ボロボロだったんで」
ケガを隠して出場し、試合には勝ったが、
「めっちゃ嬉しい…ではなく、わからない感じ。すぐ実感が湧くということはなかった」
遠藤氏は守備固めの選手と交代する75分までプレー。もしケガを明かして欠場していたら、「マイアミの奇跡」は起きていなかったかもしれない。
(鈴木誠)